国際協力の現場から
国際協力の現場から2020/04/16ツイート
Nangoc:「中村哲医師を送る会」を共催
「中村哲医師を送る会」をペシャワール会名古屋とともに共催しました。
2020年2月15日、加盟団体「ペシャワール会名古屋」と名古屋NGOセンターが共催で「中村哲医師を送る会」を行いました。「これまで中村哲医師を支援していただいた方たちとともに中村哲医師を悼み、送る会を催します」が趣旨でした。
参加者は満席の700名。中村さんはこれまで幾度か名古屋でも報告会をされており(名古屋開催はペシャワール会名古屋と名古屋NGOセンターとの共催・後援)、ところによっては1,000人規模のものもあり、支援者は多いです。当初、この送る会を数十名規模の会議室で計画していました。「送る会」への参加者の数を見て、今はそのことを恥じ入るばかりです。
参加者の多くは中村さんの功績をご存知で、お別れをしたいという想いの方が多かったと思います。献花というかたちでその想いを形にすることができました。悲しいばかりの会ではなく、その功績に基づくメッセージも発することができたと思います。
そして今、世界的に起こっている新型コロナウィルス感染の拡大を、中村さんならどのように見て、どう表現し、どう行動したでしょうか?「対テロ戦争」が始まったとき、気候変動について語るとき、中村さんは「終わりの始まり」という言葉をよく使っていました。それが時代認識だったのでしょう。
それは絶望ではありませんでした。人はそれぞれの置かれた場所で最善をつくす、一隅を照らす、これが中村さんの一生を通じた最大のメッセージでした。最澄さんの言葉だそうです。一隅だから、全体でなく中央でもないということです。まさにNGOのことを言っているのです。照らしつづける結果として、それが全体になり、中央になるという認識でしょう。コロナ禍のなかで人々は平等に苦しみを抱いているわけではありません。一隅を照らす必要があるのではないでしょうか。
このことを心に置きながら、2020年度、コロナ禍の中で名古屋NGOセンターとして何をすべきか、政策提言活動において何ができるか、それぞれの命を最優先にしながら考えていきたいと思います。 (八木巌 ペシャワール会名古屋事務局長、名古屋NGOセンター代表理事)