文字サイズ

特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

会員になるには

国際協力の現場から

国際協力の現場から2018/08/09

Nangoc:1人から始める人道支援の仕方~丸腰で国境を越える~



映像も交えながら現地での具体的な活動についてお聞きしました。

 2018年7月13日、名古屋NGOセンターの政策提言活動の一環で、エイドワーカー(人道支援者)として約15年にわたりフリーランスでイラク支援を続ける高遠菜穂子さんをお迎えし、講演会を開催しました。参加者は国際協力や難民問題に関心を持つ方やこの地域で市民運動に携わる方、地域づくりにとりくむ方など、子どもから年配の方まで多種多様。平日夜の開催でしたが46名の参加で満員御礼となり、関心の高さがうかがえます。

打ち上げでは活動のこぼれ話も。名古屋名物味噌おでん、手羽先を楽しみました。

打ち上げでは活動のこぼれ話も。名古屋名物味噌おでん、手羽先を楽しみました。

 講演では、国際協力に進んだきっかけから具体的な支援方法、支援内容などについてお話しいただきました。現地の状況を実際に見て直接人々の声を聞き、活動や人を繋ぐスタイルはフリーランスならでは。緊急支援を要する紛争地においてはフットワークの軽さも重要です。NGOや国際機関とも連携するお話では、役割分担の重要性などもお聞きすることができました。
後半は参加者同士のディスカッションを行ったのち、質疑応答の時間を設けました。「紛争地に行って命の危険はない?」「一人で活動しているけど、活動のための資金は集められるの?」「イラクの方たちから、日本はどのように見られている?」など、素朴な質問や鋭い質問にも真摯にお答えくださった高遠さん。気さくなお人柄で、講演会終了後も高遠さんとお話したい方が後を絶ちませんでした。全国でご講演をされていますが、近年国際協力に関心を持つ若者の増加を肌で感じるそうです。
 一方で、参加者の中には「名古屋で平和活動をしていても若者がなかなか集まらない」と嘆く年配層の声もありました。人道支援に関心のある若者を糸口に、平和や人権活動にも理解を広げる余地がまだまだありそうです。国際協力を通じ、国や文化を超えて相互理解を深めると同時に、中部地域でも、課題や年代を超えて相互に理解し連帯できるきっかけを作っていけるよう努めていきます。