国際協力の現場から
国際協力の現場から2013/09/06ツイート
ACCESS:「パンガラ」 夢を叶えるために
「パンガラ」 夢を叶えるために
「自分で稼いで、進学したり、家族を養いたい。」そう願う若者たちが働ける場をつくろうと、手作りグリーティングカード生産事業をフィリピンのペレーズ地区で7月にスタートしました。
ペレーズ地区はアクセスの事業地の1つで、貧しい農漁村地区です。私たちは1999年からこの地区で活動をはじめ、「持続可能な地域づくり」をめざして、教育支援、生計支援、青年育成などを行ってきました。地域にある自然素材を生かした商品を作って日本で販売することで、少しでも収入を得られるようにしようと、2000年にフェアトレード事業を開始。これまではココナツ殻を加工した雑貨やアクセサリーの生産に取り組んできましたが、今年の7月からあらたに5人の若者を採用し、手作りカードの生産をはじめたのです。バナナやパイナップルの繊維で作った手漉き紙、卵の殻や新聞など、とてもユニークな素材を使った誕生日カードや、クリスマスカードです。
新しく採用したメンバーは、16歳~21歳。一番若いカーラは成績優秀で中学を卒業したものの、家計が苦しいため進学をあきらめざるをえませんでした。「カード生産で得た収入は貯金して、進学の費用にあてたい。いつか先生になりたいんです。」と話していました。
19歳のアヤは、中学卒業後に半年間の職業訓練コースで学んだものの、心臓が悪いこともあって仕事がまったくみつかりませんでした。カード生産からの収入は、1歳の娘を育てる費用にあてるそうです。
3人の男性メンバーは、経済的な理由で小学校や中学校を卒業できませんでした。現在は漁や農業をしながら、カード生産にも参加し、きょうだいをなんとか学校に通わせ、卒業させたいと願っています。
働きたくても仕事がなかなか見つからない農漁村で、人生に希望を持てるようにしたい。そんな思いをこめ、5人のカード生産者は自分たちのグループの名前を「パンガラ(夢)」と名づけました。
始まったばかりのこのフェアトレードカード生産事業、品質管理や材料の安定確保が難しく、現地の担当スタッフは日々、奮闘しています。その努力に負けないよう、日本でも販売網を広げる努力をすすめ、近い将来、より多くの若者に働く機会を提供していきたいと思っています。販売に協力してくださる方、取引をしていただける方、商品開発のアイディアを提案して下さる方は、ぜひご連絡ください。
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