国際協力の現場から
国際協力の現場から2013/05/13ツイート
「協同」についてのセミナーを開催
「協同」についてのセミナーを開催
2013年2月、オルター・トレード・ティモール社(ATT)の「コーヒー生産者グループ」を対象に、単にまとまってコーヒーを出荷するだけでなく、より自助性が高い「生産者組合」をめざす第一歩を踏み出すため、長野県にある産直市場グリーンファーム(注)の小林史麿会長を東ティモールにお呼びし、「農民による自立的・安定的な地域づくりのための協同とは」と題したセミナーを開催しました。
セミナー開催に先立って、小林さんをエルメラ県のコーヒー生産地域にお連れしました。2月は雨季真っ只中!……のはずが、幸いにもエルメラ滞在中は一度も雨に降られず、コミュニティへの大変な山道も何とかクリア。3日間の限られた時間でしたが、3つの生産者グループのメンバーと交流し、地域の中でどんなことを改善していけるのか、を一緒に考えました。
セミナー当日は、エルメラ県内のコーヒー生産者グループリーダー約30人が参加し、小林会長の日本での終戦直後から現在に至るまでの経験に熱心に耳を傾け、その後、グループに分かれての議論などを通じて、「協同」の可能性について学び・考える貴重な機会となりました。
今後の課題としては、今回実現したコーヒー生産者への動機づけを、どのようにして持続し、さらに具体的な動きにつなげていくことができるか、という点に尽きます。具体的には、出資金の積み立てによる金庫や共済のような仕組みづくり、種や苗・農具の協同管理、日常生活用品の協同購入、そしてそれらの運営を担うスタッフの育成など、地道な積み重ねとフォローアップが大切だと考えています。(APLA事務局:野川未央)
(注)長野県伊那市で1994年にオープンした民間経営の農産物直売所。現在では、年間来場者数57万人を越えている。「農協や行政に頼らない、生産者が主人公の直売所」、「日本一おもしろい直売所」としても有名。公式サイト:http://www.green-farm.asia/