国際協力の現場から
国際協力の現場から2013/04/19ツイート
AAN:公平な水利用にむけたワークショップ開催
バングラデシュ・砒素センターにて 公平な水利用にむけたワークショップ開催
2013年2月18日〜20日、トヨタ財団の助成を受け、バングラデシュ砒素センターにて「ガンジス流域の公平な水の利用」に関するワークショップを開催しました。
宮崎大学がインドで実施しているプロジェクトのスタッフ。九州大学がネパールで実施しているプロジェクトのスタッフ。AANバングラデシュのスタッフ。日本からは横田代表、土呂久の佐藤マリ子さん、調整員の石山民子らが参加しました。
初日に各国の報告、2日目にジョソール県内の砒素汚染対策地域のスタディツアー、最終日にガンジス流域の課題と今後の取り組みを総括するためのグループディスカッションをしました。ガンジス流域の活動地域では砒素汚染発覚から10〜30年経過していますが、未だに安全な水にアクセスできない人がいます。「誰が」「なぜ」「どのような要因で」安全な水にアクセスできないかを分析し、共通項を見出し、今後の対策に役立てることが目的でした。慢性毒への理解を深める第二段階の啓発、行政の限界、届かない適正技術、社会・経済的問題、将来世代との分配などが主な共通課題としてあげられました。
大規模な施設を持った水道が唯一のゴールではなく、地域の自然・文化・人口規模・経済状況に適した水源と供給方法を、住民自身が科学的データを元に選択し、保全し、維持管理する。こうした水利用のあり方を選択肢の一つとすることの重要性を広く発信し、その実現に貢献できる住民・地域・組織・専門家を増やすことが必要なのでしょう。ガンジス流域での経験を元にAANは何を担っていけるか。日本でもワークショップをし、秋に完成予定の報告書にまとめる予定です。
石山民子