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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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国際協力の現場から

国際協力の現場から2010/12/25

メコン・ウォッチ:ラオスのダム問題


 ラオスの中部に今年、ナムトゥン第二水力発電ダムが完成しました。ダムは琵琶湖の4分の3にあたる面積を水没させ、約6200名の少数民族が移転を強いられました。貯水池となった高原は、野生の象の群が生息する自然の残る場所でした。また、このダムはセバンファイ川という漁業の盛んな川に発電後の水を導水していますが、貯水池の有機物の腐敗による水質汚染の発生が懸念されています。

 事業はタイへ電気を売って歳入を得、ラオスの開発を進める目的で国際金融機関の支援で進められました。しかし、私たちが行っている現地調査では懸念されていた環境影響が発生するだけでなく、移転住民の生計回復の目途は立たず、ダム開発企業の影響緩和策であるマイクロクレジット事業で住民が借金に苦しむような事例が確認されています。メコン・ウォッチではこのような調査を公表するとともに、国際金融機関を監督する日本の財務省にも改善を求める政策提言活動を行っています。(事務局長 木口由香)