国際協力の現場から
国際協力の現場から2015/04/17ツイート
access:火山噴火の被災地で、初めての卒業式
火山噴火の被災地で、初めての卒業式
アクセスの事業地の1つである、フィリピンのピナツボ火山被災地。ここは、噴火と土石流で村々が何メートルも埋まり、1991年の被災以来16年間、教育施設がありませんでした。アクセスが2008年にこの地域に小学校を建設し、ようやく地域の子どもたちが学べる環境づくりが始まりました。そして2014年度、被災後初の卒業生(11人)を送り出すことができました!
「初の卒業式を控えて、みんな本当にワクワクしてますよ!卒業式は、ガウンや角帽、証書、メダル、写真・・・と、お金がかかるもの。ここでは、お金をあまりかけず、シンプルでもハッピーで特別な卒業式にしたいわね。」6年生を指導してきたデビー先生(写真右)の話す通り、シンプルだけれどあたたかい卒業式が、3015年3月27日に行われました。
2012年度のフィリピン教育省の統計によると、小学校入学率は92%、卒業できるのはそのうちの73%程度。学校に通えていない子どもたちの数は72万人を超えると言われ、10人に3人の子どもが小学校を卒業できないまま、大人になっていきます。
アクセスは小さなNGOですので、72万人の子どもたち全員に関わることはできませんが、せめて私たちに縁のある地域でだけでも、「全員が小学校を卒業できるように」という思いで、活動を続けています。
90%以上の子どもたちが小学校に入学するフィリピンにおいて、小学校すら通うことができないということは、子どもにとってとても辛い現実です。入学はできても、経済的な理由で通い続けられなかったり、「自分は勉強が苦手だから、妹や弟にチャンスをあげた方がいい」と考え、自ら通学をやめてしまう子どもたちもしばしば見かけます。そんな子どもたちを一人でも減らし、せめて「小学校は卒業した!」という自信を持って、生きていってほしい。そんな願いを込め、奨学金プログラムを今年も続けます。
★目標まであと34人!一緒に卒業をめざそうキャンペーン 学校に通い続けたい子どもを、物心ともに応援する奨学金サポーターになりませんか。
(野田沙良)