国際協力の現場から
国際協力の現場から2019/04/24ツイート
Nangoc:政策提言における取り組みの成果とこれから
当団体の3つの活動の柱の一つである「政策提言」。この活動を担う当委員会(加盟団体、市民、専門家、担当理事など10名程)では、2018年度の振り返りと2019年度の計画を話し合っています。その内容を3つほどご紹介します。
【地域NGOの声を外務省へ提言し、成果を得る】
成果として特筆すべきことは、NGO・外務省定期協議会の当団体選出の委員(連携推進委員会副代表)が中心となり全国のNGOの声を反映させ、提言した結果、「外務省NGO連携無償資金協力(N連)の一般管理費を5%から最大15%に引き上げる」という大きな成果を得られたことです。何より中小NGO、地域NGOとの対話から提言したことに意義がありました。加盟NGOより感謝の言葉が次々と寄せられ、地域NGOの声を代弁する提言活動を今後も期待されています。
【市民社会スペースの狭隘化に対する取り組み】
昨今の市民社会スペースの狭隘化、政策環境の悪化に対応すべく、2018年「NANCiS(市民社会スペースNGOアクションネットワーク)」が設立されました。当団体は全国7つの構成団体のうちの1団体であり、また共同代表も担っています。
現在、具体的な2つの活動に取り組んでいます。
一つはNGOへのアンケートの実施です。活動における様々な形の制限、圧力を受けたと感じたことがあるかを問いかけています。実態把握と共に、個々のNGOが「市民社会スペース」への理解を深めることが目的です。
もう一つは、共謀罪などへの対応として「緊急マニュアル」を作り、活用することです。個々のNGOに積極的に活用され、生きた情報を出してもらえるよう、加盟NGOに十分な説明と働きかけが必要です。
【人権や平和に向けたNGOの役割を考える「場」を創る】
これからのNGOのあり方を考えるべく、NGOの歴史をふりかえり、現状の問題点を考えるシンポジウム「ともに語り合う人権・開発・平和」を実施しました。NGOのみならず社会に対して疑問や不安を持つ市民の方々も多く40名ほどが参加されました。 会場では「社会の中でNGOの影響力が低下している」、「非政府組織の“非”のところが危うくなっている」等の声があり、自発的な勉強会などもスタートし、4月に実施予定です。
このような「場」を設け続けていくことはネットワークNGOの政策提言活動の役割であると考えています。
その他の取り組みについては、またの機会にご紹介します。(代表理事/政策提言委員 八木巌)