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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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国際協力の現場から

国際協力の現場から2021/03/23

2021年1~2月活動報告(ピースデポ)


 1、2月には会員向け情報誌『脱軍備・平和レポート』第7号を発行したほか、朝鮮半島の非核化合意履行監視プロジェクトで2本の記事を発行しました。また1月にはホームページを刷新しました。

 

『脱軍備・平和レポート』第7号の発行

 『脱軍備・平和レポート』第7号を2月1日に発行した。第7号の特集は「米新政権の核兵器政策と核兵器禁止条約」。1 月20 日、民主党のバイデンが第46代米国大統領になった。上院外交委員会の委員長やオバマ大統領の下で副大統領を務めたバイデンは、オバマやトランプよりも外交経験が豊富であると言われている。米国自身の核兵器使用のリスクを理解しているのに加え、核拡散のような全地球的な課題に関しては多国間主義の強化によって効果的に対処できるという信念を持っている。

 米政権の交替から2 日後、核兵器禁止条約(TPNW)が発効した。サーロー節子氏が、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞式で「核兵器の終わりの始まりにしよう」と訴えたように、核兵器の存在そのものを禁止する国際法が発効したことで「核なき世界」への道は新たなステージに入った。この特集では、トランプ政権によって核兵器の役割の増大に向かった核兵器政策を、バイデン政権がどのように修正し、核軍縮・不拡散において米国の核兵器政策がどのように変化するのかを、米露間の核軍備管理条約である新STARTや北朝鮮問題から考察した。第7号では特集のほか、TPNW発効に対する市民社会の反応として、被ばく者をはじめとした様々な団体の声明を掲載した。 

 

 「平和を考えるための映画ガイド」は今回も継続し、三島由紀夫の「盾の会」の活動を取り上げた映画『11.25 自決の日』が紹介された。

 

朝鮮半島の非核化合意履行監視プロジェクト

 監視報告28号「条件を付けずに首脳会談を目指す」日本政府の北朝鮮政策には、首尾一貫した政策メッセージと平壌宣言の正しい理解が不可欠である」(1月13日)と29号「21 団体が日本政府に要請――核兵器禁止条約が発効した今こそ、「核の傘」政策からの脱却に向け「北東アジア非核兵器地帯」構想の真剣な検討を」(2月4日)を発行した。

 28号では、2018年9月に始まり、その後の安倍、菅政権でも継続されている北朝鮮との対話路線とはいったい何であったのかを考察した。「条件を付けずに首脳会談をしたい」という方針を掲げ2年以上が経過したが、対話のための接点すら作れないまま、現在に至っている。この停滞が何を意味するのか、「政策の包括性あるいは首尾一貫性の問題」と「日朝平壌宣言の位置づけ問題」という2つの側面から検討した。

 29号は、本監視プロジェクトのイニシアティブで日本政府に提出した、日本の市民団体21団体の要請書である。要請書では、日本が核兵器禁止条約に参加するには条約が第1条e項で禁止する「核の傘」政策からの脱却が必要であること、「核の傘」政策からの脱却を可能にする現実的政策である「北東アジア非核兵器地帯」構想を政府が真剣に検討することを要請している。

 それぞれの監視報告は、以下のブログで読むことができる。

https://nonukes-northeast-asia-peacedepot.blogspot.com/

 

その他

 2月20日、第22回総会記念講演として、韓国のNGOである参与連帯(PSPD)、平和軍縮センター、専任幹事のシン・ミジ(慎美智)さんにZOOMを通して韓国から講演をしてもらった。朝鮮戦争を終わらせ、平和協定を締結すること、核兵器も核の脅威もない朝鮮半島と世界をつくること、制裁と圧力ではなく、対話と協力で対立を解決すること、軍拡競争の悪循環をやめ、市民の安全と環境のために投資することをシンさんは主張した。

4月に開始した交代制の勤務体制を継続している。

『ピース・アルマナック2021』の作成も4月23日の下版を目標に継続している。

ホームページの新着情報の更新を継続している。

 

報告:3月1日 ドゥブルー達郎