文字サイズ

特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

会員になるには

国際協力の現場から

国際協力の現場から2018/11/30

シャプラニール:生産者の雇用と仕事を守るには


ワークショップの様子

 シャプラニール=市民による海外協力の会は2017年度よりNGOブレークスルー支援事業でご支援を頂いています。南アジアのフェアトレードに、食品商材を導入し、シャプラニールのフェアトレード部門「クラフトリンク」の売上額を増加させていくこと、そして、食品商材が少ない私たちの活動地域であるバングラデシュ、ネパールでより多くのフェアトレード商品が生産できるようになることが目的です。
 その中で、私たちが難しいと感じながらも大事にしていくべきだと考えることは、いかにして現地の手工芸品生産者の雇用と仕事を守りながら、食品商材の開発と販売を行っていくかという部分です。
 今年6月にネパールにおいて、現地の各パートナー団体と食品商材開発と取扱いに関する経験共有と意見交換の場を持ちました。現地パートナー団体の多くは、これまでに貧困層への手工芸品製作のための職業訓練を通じて生産者を育成してきました。そのため、食品商材の取扱い開始は各団体にとっても新しい試みであり、すでに小さいながら実績を持つ団体、まだ様子見の団体など状況はさまざまです。
 上述のとおり大事にしたいことは、すでにいる手工芸品の生産者の雇用や仕事を守りながら、食品商材の開発・販売を成立させていくことです。これが破綻するとせっかく今まで築いてきた技術、生産者の生活が崩れる可能性があります。まず一つのステップとして、主に現地素材を生かした商品作りや、縫製等の生産者が持つ技術といった各団体が持つ「強み」の再認識をする場をワークショップで持ちました。この過程は各団体にとって、大きな発見となったようです。
 「南アジアのフェアトレードにブレークスルーを」という私たちのチャレンジはまだ始まったばかりです。2017年度にはネパールのコーヒー「太陽とヒマラヤの恵み ハニープロセス珈琲」の販売を開始することができました。更に大きなブレークスルーをもたらすために、多くの人の巻き込み、そしてより深い理解と共感を得られるように活動していきたいと思います。(宮原麻季)