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国際協力の現場から

国際協力の現場から2015/05/13

FoE:チェルノブイリ原発事故から29年


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チェルノブイリ原発事故から29年

 2015年3月30日~4月6日、ベラルーシ・ミンスクを訪問し、ドイツ・ベラルーシのグループとともに視察・交流を行いました。 放射線測定の独立研究機関「ベルラド研究所」や国営保養施設「希望21」訪問のほか、ホームステイやフォルクローレ鑑賞も含め、ベラルーシの人々の現在の日常にも、様々な角度から少し触れることができました。
foe201504_3 チェルノブイリ原発事故は決して終わらない、影響・被害は明らかに続いている。 しかし一方で、日常生活の中では、あえて意識しなされないように意図されている。現在の日本とある意味でよく似た状況を目の当たりにしました。

例えば・・ ————————-
◆原発事故被災者と事故処理作業員への支援などを定めた「チェルノブイリ法(1990年制定)」は、2008年に改訂され、現在では、特別の支援はなくなり、通常の障がい者(病気も含む)への支援と一体化されている。
◆保養への予算も、2016年までは決まっているが、それ以降は減る方向だろうと推測している(保養施設担当者)。  
◆国は5キュリー/km2 以上(=推定実効線量1mSv以上)の場所を「汚染地」と定義しているが、その範囲は5年ごとに見直され、どんどん小さくなっている。
◆ルカシェンコ大統領による独裁体制のなかで、政権批判的な活動は大きく制限されている。例えば、国土の北西部(リトアニアとの国境付近)にベラルーシ最初の原発が建設着工しています(まだ初期段階)が、反対活動は極めて難しい状況。
foe201504_4◆昨年から「チェルノブイリ」という名称の使用が禁止され、私たちのホストの財団「チェルノブイリの子どもたちのために」も名称を変更せざるを得ず、現在は「子どもたちに喜びを」として活動している。
◆チェルノブイリ原発事故に関する「ベラルーシ政府報告書」(2011年)では、子どもの甲状腺がんをはじめとした健康被害についても書かれているが、現在は復興に向かっていることが強調されている。
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 チェルノブイリ事故被害への対応については、多くの人が、国には期待できないと口にします。ゴメリ州の強制移住区域出身のおばあさんたちは、当時の、何度も村を移動させられた混乱状況を語ります。
foe201504_2 日本と比べた場合に、チェルノブイリ法により、賠償や健康管理への最低限の補償がある、また1ミリシーベルト以上の地域の「避難の権利」が書かれています。 しかしその適用については、少なくとも人々の話を聞く限り、大きな課題がありそうです。 言葉がなくなるような状況の中で、私たちを迎えてくれたみなさんのあたたかさと、市民の草の根の活動の様子には、救われ勇気づけられました。

チェルノブイリ事故から29年のベラルーシへ(吉田明子)
ベラルーシ訪問―移住村 スターリ・レペル(深草亜悠美)