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国際協力の現場から

国際協力の現場から2013/09/04

APLA:アグロフォレストリー導入


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コーヒー畑の様子を観察しながら、コーヒー生産者に対してその場で色々とアドバイスをするエゴ・レモスさん。

アグロフォレストリー導入に向けた第一歩を踏み出しました

 これまでもコーヒーだけに頼らない地域づくりのために様々な取り組みを続けてきましたが(詳細は過去の報告をご覧ください)、今年度は、アグロフォレストリーの導入に向けて準備を進めています。アグロフォレストリーとは、多様な植樹を植栽し、その中で家畜や農作物を飼育・栽培する農林業の形をさし、持続可能な環境保全型の農林有畜複合農業として、その重要性が認められてきています。

 APLAは、コーヒーとそのシェードツリーが土地の大半を占めている東ティモールのエルメラ県で、コーヒー生産者たちの自給や地場流通用の果実類や薪材用の樹木を植樹することで、プランテーション型のコーヒー単一栽培から持続的な農林業の確立をめざします。同時に、世界的な気候変動の影響なども考えて、今後さらに重要になってくる森林保全や水資源保全にもつなげていきたいと考えています。

 そして8月末、東ティモールの代表的なミュージシャンであり、環境活動家としても精力的に活動しているエゴ・レモスさんの協力で、エルメラ県のコーヒー生産者グループに対してアグロフォレストリーを紹介するセミナーを開催しました。さらに、コーヒー生産者が暮らす地域を訪問して、コーヒーの畑の中や周辺の地形・気候・土壌などの調査もおこないました。どんな種類の樹木が適しているか、どのような形で作物の多様化を進めていけるか、という点を探るためです。その調査結果を受けて、今後の具体的な計画を立て始めているのですが、エゴさんからの助言などを受け、コーヒー生産者の中にもやる気が芽生えたもよう。遠く険しい道のりの第一歩を踏み出した彼・彼女たちの取り組みを、日本からも応援いただければ幸いです。

 余談ですが、今回訪問した5地域は、同じエルメラ県内とはいえ、どこもかなりの「辺境」に位置しています。でこぼこ山道を車で2~3時間もかかるので、移動だけでも一苦労。コーヒーが日本に届けられるまでの生産者や現地スタッフたちの苦労を改めて肌で感じることとなりました。(野川未央)