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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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国際協力の現場から

国際協力の現場から2012/05/01

AAN:バングラデシュで、砒素汚染に苦しむ人たちへの支援活動をおこなっています。


アジア砒素ネットワーク

患者さんの協力を得て、砒素中毒症の診断方法と経過観察について学ぶ郡保健所の医師。アジア砒素ネットワークが長年推奨してきたボディマップを使い、各部位の症状を記載している。

アジア砒素ネットワークは、現在主としてバングラデシュの砒素汚染地域での活動を行なっています。バングラデシュのみならず、多くのアジアの大河流域に存在する地下水砒素汚染問題は、いわゆる公害とは異なり、地質に由来するものであるだけに汚染の範囲も広く、それに伴い影響を受ける人々も多くなっています。

バングラデシュで砒素汚染が発見されて約20年が経過しました。これまでの間国際機関やバングラデシュ政府は様々な対策を行って来ました。にもかかわらずバングラデシュでは砒素汚染地に住む住民は全国民のおおよそ20%にあたる3千万〜3千500万人といわれ、その内2千万人近い人が今も安全な水を飲むことができていません。
アジア砒素ネットワークは、バングラデシュでヒ素汚染が見つかった直後の1996年以来ヒ素汚染地での調査、安全な水供給、住民への知識普及、患者支援等の活動を行って来ました。
2011年度はJICA草の根事業として2つの事業を実施しました。1つは砒素汚染による患者発生の抑制と患者支援を行う事業、もう一つは井戸等水源の管理を支援する事業です。前者は2012年3月に約2年間の活動を成功裏に終えることができました。後者は2011年度を初年度とし、今後3ヵ年余の活動を続けていきます。
また、会員等からの寄付をもとに、安全な水供給施設の設置、砒素によるガンなどの疾患を持つ患者に対する手術等の医療支援も行いました。
他の国では、ベトナムのメコン川流域で安全な水供給施設の建設を行いました。
私共アジア砒素ネットワークは、世界中から砒素汚染による被害が軽減されることを目指して今後も活動を続けていきます。
(下津義博)