国際協力の現場から
国際協力の現場から2017/11/23ツイート
FoE:冷えすぎ改善で省エネと快適な買い物環境を
スーパー100軒調査 報告と提言「冷えすぎ改善で省エネと快適な買い物環境を」
日本では、3.11直後には多くの商業施設や鉄道、店舗などでも、間引き照明や照度の調整、空調の緩和など、多くの省エネ努力が見られました。それに対して「明るすぎず、空調も効きすぎず、このくらいでちょうどよい」 と感じた場面も多くあったと思います。
しかし現在は、特に商業施設や店舗において、冷暖房は効き過ぎ、照明も明るすぎというように、揺り戻しが目につくようになり、時には「快適」な範囲を超え「過剰」な空調や照明も目立ちます。
このように「明らかな無駄」「快適性をそこなう過剰さ」を改善することで、省エネルギーと顧客満足度の上昇とを同時に達成することにつなげられないか、という問題意識から、身近な真夏のスーパーマーケットの食品売り場の温度に注目しました。
2017年7~8月にFoE Japanや気候ネットワークなど7団体の有志メンバー14名で100 店舗以上を調査し、その結果をもとに提言をまとめました。
実際に100店舗を調査するなかで、色々なことがわかってきました。
まず、「寒い」といっても実際にどのくらいの温度なのか。生鮮食品売場では、15~17℃台のところも多く、この温度ではさすがに「寒く」感じました。
一方で20℃以上あるところではそれほど「寒く」は感じませんでした。
ではその原因は何か。やはり食品を陳列する冷蔵冷凍ショーケースからの冷気の漏れが大きいようです。
平型のショーケースや扉付きのショーケースを導入している場合は、若干温度にも違いが見られました。
スーパーマーケットの店舗のエネルギー消費のうち、冷蔵冷凍ショーケースが半分近くを占めています。冷気漏れを減らせば、その分省エネになると考えられます。
消費者の快適な(寒すぎない)買い物、そして省エネという観点から、店舗の設備や空調を見直していただけないか。
調査メンバーは、この結果をスーパーマーケットチェーンに送付して報告しました。
今後、具体的な意見交換や改善への要望、フォローアップをしていければと考えています。(吉田明子)