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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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国際協力の現場から

国際協力の現場から2017/02/23

FoE:2017年、行動の年へ ー パワーシフト!!!


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2月17日、渋谷LOFT9でイベント開催「パワーシフト-エネルギー民主主義宣言!Vol.2」
イベントレポートはこちら 

電力小売全面自由化からまもなく1年。
 2017年が、電力自由化から間もなく1年が経とうとしています。2016年の後半からようやく、再生可能エネルギーを重視する事業者や地域の事業者も、おくればせながら続々と家庭向け販売を開始しています。昨年4月の時点では、実際に選べるところは「少し」だったかもしれません。今は、その状況が変わりつつあります。まだまだこれから出てくる、地域電力会社もいくつもあります。すでに販売を開始していて、エリアを拡大するところもあります。
 具体的な選択肢がようやく増えてきた2017年。具体的に検討して、行動に移すのはいまです。

価格競争で安さが求められると
 電力自由化は、良いことばかりではありません。登録小売電気事業者は現在約380社以上登場していますが、競争が生まれることで、各社とも「少しでも安く」販売しようとし、そのために安価な電源を求めています。電力システム改革が決まったのち、2012年以降に相次いでいる石炭火力発電所の新設計画がまさにその現れです。今後は、増加するCO2排出を相殺するために「非化石電源」活用の大義名分で、原発の再稼働や40年超の運転も後押しされていくでしょう。「安さ」の選択はこの動きに追従するものです。だからこそ、意識的に再生可能エネルギーを重視する電力会社を選び、選ぶ人を増やす大きな動きをつくっていくことが求められます。

各地にうまれる再エネ重視の電力会社
 各地に続々と、再エネを増やしていくビジョンを持った電力会社が登場しています。自治体系、生協系、地域密着系、全国再エネ事業者系などです。しかし、規模も宣伝力も大手とは圧倒的な差があります。また再エネ供給には大きな壁があります。
 一つは、再エネ調達の壁です。日本で再エネの設備要量はまだようやく増えてきたものの全体の7%ほど(2015年度、大型水力をのぞく)です。しかもそのほとんどを旧一般電気事業者が持っているため、再エネ新電力は調達に大変苦労しているのが実情です。ビジョンを持ちながらも再エネ率を高くできていない会社も多数です。
 もう一つは、需要獲得の壁です。大々的な広告宣伝ができない中で、どうやって需要を獲得するか。安さの競争では大手にかなわないなか、どう差別化するか。ほかにも、制度変更への対応や煩雑な手続き、家庭向け供給は利幅が薄いなかでどうやって利益を確保するか、などなど、多くの困難の中で試行錯誤する電力会社 が多くあります。だからこそ、消費者、環境団体などの声で、実際の契約で、再エネ新電力を応援していくことが欠かせません。
*2017年2月現在、19社をウェブサイトで紹介

私たちの選択が社会を変える
 震災・原発事故を経て、「原発でない電気」「自然エネルギー」を選びたいというニーズは決して少数ではないはずです。それでも「まだ様子をみている」「どこを選んでよいかわからない」「価格も重要だができれば」といった多くの人が、今後のポテンシャルです。そういった層にいかに情報を伝え、実際に切り替えに結びつけるかが、今問われています。
 環境団体や消費者団体、脱原発団体などが連携して2015年3月に発足したパワーシフト・キャンペーンでは、再エネを重視する電力会社を紹介して切り替えの促進を、そして少しでも再エネ重視の社会へ向かうことを目指しています。

 パワーシフト・キャンペーンのサイトはこちら。

 2017年こそ、パワーシフトへ、市民の手で!(吉田明子)