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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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国際協力の現場から

国際協力の現場から2014/07/08

access:ピナツボ被災地に「幼稚園・社会教育センター」


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ピナツボ幼稚園

 6月21日、フィリピンのピナツボ火山被災地ミトラにて、新施設の落成式を行いました。数年の準備を経てついに完成したこの施設は、子どもたちと母親たちのための「幼稚園・社会教育センター」です。子どもたちや母親たちのほか、アクセスの職員・ボランティア、村長、建設責任者など、たくさんの方々が参加。聖職者に聖水を手につけてもらい、参加者全員がその手で建物の扉に向けて十字を切る、という儀式が行われました。キリスト教徒が大半を占めるフィリピンらしい落成式でした。

 このミトラ地区は、1991年にピナツボ火山が噴火して以降、約10年間にわたって土石流の被害を受け、村々は8メートル以上深く土石流に埋まってしまった地区です。復興から取り残されたこの地区は、被災後16年もの間、教育施設が一切ありませんでした。それでも、住民たちの帰村は続き、徐々に子どもたちの数が増えていく中で、小学校の再開は住民たちの共通した願いでした。

 私たちアクセスはそうした地域において、住民とともに教育環境整備に取り組んできました。日本でたくさんの方々にご協力いただき2008〜2009年に行った校舎(4教室)の建設は、ミトラ地区の学校再開の最初の一歩となりました。また、近畿労働金庫の協力で行ってきた子どもたちのための給食活動は、子どもたちの栄養状態を改善すると同時に、欠席率を下げ、中退者を減らすことに大きく貢献しています。こうして、小学校6年生まで学べる教育環境が整ったため、その次のステップとして建設したのが、今回の「幼稚園・社会教育センター」です。

 フィリピンでは、就学前に幼稚園に通って読み書きの基礎を習っておくことが、小学校入学の前提条件となっています。新しくできた社会教育センターでは、3〜4才の子どもたちが集団行動に慣れ、歌や踊りを通じて語彙を増やし、アルファベットに触れるといった基礎教育を行います。また、自ら働いて少しでも生活を楽にしたいと願う母親たちには、食品加工などの技術を指導し、生計のチャンスを広げてもらうこともめざしていきます。(野田沙良)