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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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国際協力の現場から

国際協力の現場から2013/05/16

支援する側とされる側が励ましあう


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奨学生たち

「支援する側とされる側が励ましあう」奨学金プログラム

 はじめまして。京都の国際協力NGO、「アクセス」です。1988年以来、日本とフィリピンで貧困問題に取り組んできた小さなNGOです。2013年度よりアーユスからご支援いただけることになり、スタッフ一同、気を引き締めて活動に取り組んでいます!

 私たちはフィリピンの中でも、アラバット島ペレーズという貧しい農漁村地区での「持続可能な地域づくり」に力を入れています。持続可能な地域づくりの取り組みの1つが、将来の地域活動の担い手を育てるための奨学金プログラムです。

 フィリピンで小学校は義務教育ですので授業料はかかりません。しかし、制服、カバン、文房具などが買えない、課題をするための材料が買えない、辞書や副読本が買えない…といった理由で小学校にすら通えない子どもたちがいます。2012年度はそうした家庭の子どもたち50人を支援し、そのうち5人が2013年3月に小学校を卒業することができました。5人の卒業生は今後、毎週土曜の補習授業で先生役を担い、地域の低学年の子どもたちの勉強をみてくれることになっています。

奨学生から届いた手紙。

この奨学金プログラムは、年間15000円を出してくださる日本のサポーターの方々の支援で成り立っており、奨学生とサポーターは手紙を通じた交流をしています。昨年3月にペレーズを訪れた際には、奨学生の子どもたちから「日本のサポーターさん、写真を送ってくれないかな?どんな人か知りたいの!」とお願いされました。子どもたちがサポーターの方からの手紙や写真をどんなに楽しみにしているかを実感した一言でした。奨学生の父親の一人、アンディさんは「子どもにはいつも、『日本で応援してくれている人を悲しませないように、しっかり勉強しなくちゃいけないよ』と言い聞かせています。」と話していました。先日会った日本のサポーターの一人は、「仕事で疲れきっていた時に奨学生からの手紙が届いて嬉しくて…それから2週間は、手紙から元気をもらってがんばれました!」と話してくれました。

 このように、奨学金プログラムでは、貧しい子どもを支援し初等教育の機会を提供するだけにとどまらず、「支援する側とされる側が、互いに励ましあえるような心の交流」をつくっていくことをめざしています。

2013年6月に始まる新学期には新たに100人の子どもたちの就学を実現したいと思っていますが、まだサポーターが足りません。一人でも多くの方のご協力をお待ちしています。(野田沙良)
(詳細 アクセスのウェブページ