国際協力の現場から
国際協力の現場から2012/12/14ツイート
APLA:コーヒーだけに頼らない地域づくり。
コーヒーだけに頼らない地域づくりの着実な一歩が。
前回こちらでご報告したコーヒー生産者グループによる淡水魚の養殖プログラムの成果が少しずつ見えはじめてきています。稚魚の放流から半年以上が経過した2012年9月、初の収獲を迎えました。その成果をお披露目したい!というグループのメンバー自身の提案で「記念祭」が開かれ、地域の人びとだけでなく、郡長、村長、農業開発員など、行政からもゲストが参加し、大人から子どもまで200人近くが集まりました。
地域の長老(慣習的なリーダー)による開会の挨拶に始まり、グループリーダーによるこれまでの経緯や自分たちの活動の発表に続き、ゲストからの挨拶。郡長や村長からは、「年に一度限られた時期だけの収穫しかないコーヒーだけに頼らないためにも、魚の養殖をはじめとしたこのグループのような取組みが、将来的には、郡全体、県全体、ひいては東ティモール全体を巻き込むようなものになってほしい」「周囲の地域のお手本であり続けてほしい」というような激励のメッセージが送られました。
その後は、みんなお待ちかね…!水牛1頭を屠ってつくられたご馳走が振舞われました。さらに、収獲した魚の販売(見本市)がおこなわれ、景品がつられた竹(高さ6メートルほど!)に子どもたちが競争してのぼるレクリエーションなど、日常的な娯楽が少ない村ではそれはもう大変な騒ぎに終わりました。
こうした行事も経て、「(APLAと一緒に活動を始めた2年前とは)確実に何かが変わってきている、一つずつ実践を重ねてきている」という認識をグループメンバーと共有することができているように感じます。そうしたなか、今後も地域で直面していくだろう問題を解決するための知識や技術が必要だ、という話に発展し、現地NGOの協力のもと、地域の青年たちを対象にした一年間の実地研修を実施することになりました。APLAは、この研修の経費を「奨学金」という形で支援していきます。皆さまの応援お待ちしています。(野川未央)