国際協力の現場から
国際協力の現場から2011/11/26ツイート
メコン・ウォッチ:メコンの豊かさを可視化する
日本の政府開発援助(ODA)によるインフラ事業は、しばしば現地の人々の生活に負の影響を与えてきました。その原因について私たちは、工業化が肯定的なモデルとなって相手国に勧められていることに加え、日本では失われてしまった自然を生かした暮らしに対する無理解があると考えています。
メコン・ウォッチは、タイやラオスでの環境ドキュメンタリーの制作を行っていますが、この事業で得られた情報を日本で紹介することにも力を注いでいます。ODAでは経済的な効果が重視されますが、相手国が元々持っている自然環境の豊かさや、それに依存する人々の暮らしが事業によって劣化することは軽視されがちです。私たちはODAに対する政策提言を通して、環境・社会影響調査の強化などに取り組むことに加え、数値や指標で表しにくい自然の豊かさと人々の暮らしを映像で可視化し、理解を広めることを通してでも、ODAが引き起こす負の影響を軽減したいと考えています。 (木口由香)