国際協力の現場から
国際協力の現場から2010/02/20ツイート
ACE:しあわせのチョコレート
あなたが買うチョコが、ガーナの子どもたちのしあわせに変わる
〜ACE「しあわせへのチョコレート」プロジェクト
チョコレートの裏側に隠された児童労働の問題に光を当て、チョコレートを食べるしあわせを、アフリカ、ガーナの子どもたちのしあわせにつなげようと、昨年1月にスタートした「しあわせへのチョコレート」プロジェクト。ガーナの活動への寄付になる「しあわせを運ぶてんとう虫チョコ」は、12月までに約8300個をご購入いただき、チョコ募金には104万円の募金をお寄せいただきました。2月14日朝のNHKニュース「おはよう日本」など、メディアにも21回取り上げていただき、想像以上の反響をいただきました。多くの方々の温かい思いと募金に支えられて、ガーナでもバレンタインデーに現地パートナーNGOとともに、「スマイル・ガーナ」プロジェクトを始めました。
ガーナでの活動の目的は、カカオ生産地で子どもを危険な労働から守り、すべての子どもが質のよい教育が受けられるようになることです。人口約600人、約80世帯がカカオ生産で生計を立てる、アシャンティ州のクワベナ・アクワ村で、3年間の計画で活動を行っています。1年目の主な活動は、村の住民委員会による、子どもの危険労働や就学状況の監視活動、地域と学校が協力して取り組む学校環境の改善、カカオ生産の技術を上げ、収入を上げるための農民学校などです。農作業によるけがの悪化が子どもが学校を休む原因になっていることから、けがの予防や応急処置に関する簡単な指導や健康診断も行いました。子どもたち自身が話し合い、村のリーダーに提言する「子どもクラブ」の仕組みも作りました。
この1月に村に滞在しながら、1年目の活動を評価し、2年目の活動について話し合ってきました。第一の成果は、1年間で62人の子どもが新たに学校に通うようになったことです。今までは子どもの教育にあまりお金を費やさなかった親たちも、ノート、ペンなどを買うようになり、制服を着る子どもが増えたことも一目瞭然でした。住民がお金や労働力を出し合って、長年懸案となっていた小学校の壁の建設を実現するなど、「子どもがよりよく学べる環境を作っていこう」という意気込みが感じられるようになりました。やればできるという自信が村のリーダーや親の表情からも読み取れました。
成果があった一方で、課題も見つかっています。子どもの人身売買の問題です。ガーナのさらに貧しい地域から、お金で買われる形で連れてこられ、労働者として働かされている子どもが四人見つかりました。子どもを安全な場所に保護し、衣食住を確保することから、遠く離れた親元へ戻し、学校に通えるようにすることまで、対応は多岐に亘り、細やかなケアが要求されます。膨大な時間と予算がかかることもわかり、頭を抱えているところですが、最も危険な状況にある子どもたちの安全を第一に、現地スタッフとも入念な打ち合わせをしてきました。
てんとう虫チョコや募金を通じて協力してくださった方々の思いが、少しずつ実を結びはじめています。ご支援いただいたみなさん、ありがとうございます。今年の「てんとう虫チョコ」の販売目標は15,000個。チョコの販売や募金にご協力いただく店舗や学校も増えています。多くの方々に支えながら進化する「しあわせへのチョコレート」プロジェクトを、今年もぜひ応援してください。あなたにもきっとしあわせが訪れるはずです。
ガーナの現地レポートなどプロジェクトについて詳しくは、http://www.acejapan.org/choco/ をご覧ください。