国際協力の現場から
国際協力の現場から2010/12/25ツイート
ACE:法人化5周年「子どものしあわせリングプロジェクト」
ACEはNPO法人化5周年を記念した「子どものしあわせリンクプロジェクト」を2010年11月16日〜26日にかけて実施しました。ACEの現地プロジェクト実施地インドとガーナから子どもとNGOスタッフを招いた本事業の舞台裏を含め、報告をさせていただきます。本事業の詳細、谷川俊太郎さんの詩、またムービーはACEウエブサイトwww.acejapan.orgよりご覧ください。
2009年から準備し、多くのボランティア実行委員を巻き込み企画を行ってきたこの事業がいよいよ本番を迎えようとしていた22010年11月15日。ガーナからスマイル・ガーナプロジェクトのコーディネーター、ナナ・ブレポンさんと、支援している村の中学2年生のオティ・ゴッドフレッド君が無事到着し、再会を喜ぶ一方で、インドのゲストの招聘には問題が生じていました。なんと、パスポートがなかなか発行されないという連絡が入ったのです。既に現地ではサッカーボール縫いをしていたブベシュ君という少年が村を代表し日本に来るべく、準備をしてきました。ところが、現地のパスポート発行所が発行を認めず、最終的にインドからは既にパスポートを所持していた現地NGOスタッフのラケシュさんだけでした。
そんなハプニングから始まったこの事業でしたが、多くのプログラムをそれぞれ充実した形で実施することができました。その一部をご報告いたします。
森永製菓さんのご厚意でチョコレート工場を見学し、矢田社長にもお出迎えいただき、ゴッドフレッド君は自分が児童労働者として働いていたつらい経験を語りました。工場内で大きな機械を見たとたん「この機械を作った人は頭がいいね」とナナさん。ゴッドフレッド君もいたく感心していましたが、一番嬉しかったのは最後にダースチョコレートを沢山食べることができたことかもしれません。カカオは目にしても、チョコレートを口にすることはめったにないのが現状です。
11月20日の世界子どもの日に開催した子ども交流会は、インド、ガーナ、日本の中学生・高校生がどのような生活をしているのかを映像で共有し、子どもの権利について話し合いました。また21日のシンポジウムでは、スペシャルゲストとして谷川俊太郎さんにお越しいただき、今回特別にACEのために作ってくださった詩「そのこ」を朗読してくださいました。実はゴッドフレッド君も詩を書いていたので、その詩も、谷川さんが朗読してくださったのですが、後できいたらこの場面で少なくとも3人のACEスタッフ・インターンが涙していたそうです。二人の詩は両方とも胸をうち、詩というものが持つ力を改めて感じさせてくれます。23日には大阪でシンポジウムを開催、アーユス関西のみなさんにもお手伝いいただき、スタディーツアー参加者が登壇してパネルディスカッションを行いました。
助成団体、協賛企業、そして賛同し協力してくださった多くの方々のお力があり、この事業が開催できたことを、この場を借りて厚く御礼申し上げます。この事業をきっかけにACEや児童労働に関心を持って下さった方が、児童労働のない未来へ向けて共に歩みを進めてくれることを願っています。(岩附由香)