文字サイズ

特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

会員になるには

平和人権/アジア

平和人権/アジア2023/06/09

JFCネットワーク活動報告(2023年4月−5月)


【国内外の現場での活動の様子】

<フィリピン>

・現地事務所・マリガヤハウスでは毎月第1週にオンラインによる「ベーシックオリエンテーション」を実施しています。毎回10-15件(JFC母子またはJFC)の参加があります。4月11日にベーシックオリエンテーションを実施しました。5月は、マリガヤハウスのソーシャルワーカーが体調不良のため実施できませんでした。

・「ベーシックオリエンテーション」実施の2週間後の木曜日に「ケース受付ミーティング」を実施しています。

・オリエンテーションの実施がオンラインとなり、マニラのマリガヤハウスではルソン島およびビサヤ諸島、ダバオのRGS-COWではミンダナオ島に暮らす母子からの相談を受け付けるようになり、フィリピン全土のケース相談を受け付けられるようになりました。

・フィリピン全土からの相談を受けられるようになったため、ケース相談をすべて受けることができない状況となり、JFCの年齢が16-17歳の緊急ケースを優先して受付をしています。現在、受付を待っている待機ケースが200件を超えており、フィリピンの事務所のスタッフを雇用する方向で話を進めています。

 

<東京>

・4月1日付ニュースレター「Maligaya113号」を発送しました。今回からA4サイズ、全頁カラー版となりました。

・4月30日(日)、3年ぶりに企画していた「いちご狩り」が雨のため中止としました。

・2023年8月3日(木)―8日(火)まで3年ぶりにスタディツア―を企画し広報を開始しました。

・2023年6月21日(水)および24日(日)にスタディツア―説明会を実施することとなり、広報しました。

・2023年5月29日(月)、理事のお一人である行政書士の笠間由美子さんと日本国籍再取得を目的として来日するケースのミーティングをオンラインで実施しました。マニラのマリガヤハウスからは2ケース、ダバオのRGS-COWからは4ケースの母子が参加しました。いずれも子どもがすでに18歳、19歳になっており、来年の3月31日までに来日して、日本国籍の再取得の届け出をしないと日本国籍を取得できない緊急ケースです。現在の日本の国籍法12条では、海外で生まれた日本人の婚内子で出生届と日本国籍留保届を出生後3か月以内に在外日本大使館に届け出ないと日本国籍を喪失するとされています。JFCネットワークのケースで受理した婚内子のケースの7割の子どもたちは日本国籍を喪失しています。重要な点は①資力のある身元保証人がいること、②日本国籍取得するまでの生活の基盤の証明、③日本国籍取得後の将来設計、とのご指摘を受け、滞在先・雇用先を確保して資力を証明し、子どもたちには将来の人生設計・夢についてまとめてもらうことにしました。日本国籍を得ることがゴールではありません。日本国籍を得ることは子どもたちの将来の選択の機会を増やすことになります。せっかく得たチャンスを最大限に生かすのは子どもたち自身

<ケースについて>

・日本生まれの日本人の両親を持つKさんは両親の離婚後、日本人の母に連れられフィリピンへ行き、その後、母から遺棄され日本人としてオーバーステイとなりました。自分が日本人だというID(パスポート等)を何も持たず、唯一持っていたマニラ日本人学校の卒業アルバムで日本名がわかりました。日本大使館に相談に行っても相談に乗ってもらえず、東京事務所でKさんからメッセンジャーで相談を受けました。私たちから外務省へ相談をし、本人からの個人情報の開示請求を実施し、無事にKさんの戸籍を取得することができ20年以上たってからようやく身分の確認ができました。