文字サイズ

特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

会員になるには

平和人権/アジア

平和人権/アジア2025/10/01

ミャンマー「選挙」に関する日本政府への要請書への賛同を


 

アーユス仏教国際協力ネットワーク、アジア太平洋資料センター(PARC)、国際環境NGO FoE Japan、日本国際ボランティアセンター(JVC)、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、プログレッシブ・ボイス、メコン・ウォッチの7団体は、日本政府に対し、要請書「日本政府は、軍政の見せかけの選挙の実施を止めるための国際協調をリードし、真の連邦制民主主義の確立に努力するミャンマーの人びとの支援を強化してください」を国際協力の日である10月6日午後5時に提出いたします。ぜひ皆様にもご賛同いただきたく、お知らせする次第です。

日本政府は外務大臣談話として、8/1に「緊急事態宣言解除を受けたミャンマー情勢について(外務大臣談話)」を発出しています。

ミャンマー軍の計画する「選挙」に関し、日本政府としては、これまでより踏み込んだ発言となっていますが、ODAなど、軍との経済的な関係が切れていない状況も続いています。これら状況を踏まえ、従来の問題点を指摘しつつ、ミャンマー軍が計画する「選挙」に対しては毅然とした態度を取り続けるよう求める内容となっております。

ご賛同いただける場合、10/6(月)13時までに以下のフォームにご記入をお願いいたします。

▶賛同署名フォーム

ご質問等はメコン・ウォッチ、contact(@)mekongwatch.org にご連絡ください。

[要請書]
日本政府は、軍政の見せかけの選挙の実施を止めるための国際協調をリードし、

真の連邦制民主主義の確立に努力するミャンマーの人びとの支援を強化してください

内閣総理大臣 様 
外務大臣 様

私たちはミャンマーと日本の、また地域あるいは国際的に活動する市民社会団体です。私たちは2025年8月1日の岩屋外務大臣の声明を歓迎します。また日本政府に対し、軍政による見せかけの選挙が実施されないようにし、ミャンマーの人びとが真の連邦制民主主義を構築するために行なっている努力を強く支援するために、他の民主主義国と積極的に緊密な協働を行なうことを求めます。5年近くにわたり、ミャンマーの人びとは軍事独裁に抵抗するためにはかりしれない勇気と犠牲を示してきました。ミャンマーにとって重大な局面である今、見せかけの選挙を通じて自らの正統性を捏造しようとするミャンマー軍政の試みを強く非難することはきわめて重要です。

私たちは、岩屋外務大臣が声明で、ミャンマーでの危機が悪化しており、軍政が2025年12月に「選挙」を実施する計画であることについて深刻な懸念を表明したことを歓迎します。私たちはまた、現状のもとーー政治囚が解放されず、民間人に対する暴力、特に空爆が続いているなかでーー選挙が実施されれば、「ミャンマー国民による更なる強い反発を招きかねず、平和的解決がより困難になる」と日本政府が認識していることを評価しています。

日本政府からのこのような明確な表明は、国際社会が軍政の偽りの正統性を黙認も支持もせず、それを受け入れることに加担するつもりもないという重要なメッセージを軍政に送ります。軍政には、ミャンマーでいかなる選挙を実施する法的権利も政治的正当性もないことは広く承知されています。さらに、軍政は多くの地域で実質的な支配や統治ができておらず、そこでは選挙を実施することができません。

岩屋外務大臣の声明はまた、日本政府がミャンマーの人びとの声に明らかに応えていることを彼らに対して示すものです。ミャンマーの人びとは、軍政の見せかけの選挙を国際社会が明確に拒否することを繰り返し求めてきたからです。最近、軍政が緊急事態宣言を解除したことは真の進歩への一歩ではなく、見せかけの選挙への道を整えるための動きです。緊急事態宣言が正式に解除されたものの、軍政は63の郡で戒厳令を延長し、民主派の抵抗運動に支配権を奪われた様々な地域で空爆や砲撃を大幅に激化させています。このような攻撃の激化は、特に3月の地震以降に軍政による激しい攻撃に苦しんできた一般市民をさらに苦境に追いやり、見せかけの選挙を前に抵抗勢力を抑制することを目的としています。同様に、軍政が緊急事態宣言解除に合わせて呼称を「国家統治評議会」から「国家安全保障平和委員会」に変更したことも、軍政を文民の機関であるように偽装し、制裁を回避し、国際社会を騙すための計算ずくの試みです。さらに、選挙はミャンマー軍が起草した2008年憲法に基づいています。これはミャンマー政治を抑圧し支配するために軍が長らく利用してきた偽の「民主的」枠組みで、連邦制民主主義を求めて奮闘してきた人びとからは断固として退けられてきたものです。外務大臣が声明で表明したようにミャンマー軍の誠意に期待しても、意義ある変化にはつながらないでしょう。

日本政府は東南アジア諸国連合(ASEAN)とその加盟国と長らく関係を持ってきました。私たちは、日本政府が、軍政の見せかけの選挙は解決策にならず、ミャンマーの危機を長引かせ、人びとの苦難を悪化させるだけであるというというASEANの正しい立場に協調したことを歓迎します。この明確なコンセンサスを強化し、そのコンセンサスを推進するために民主主義諸国と協力することによって、日本はより広い国際社会の中で、いっさい処罰を受けることなくミャンマーの人びとに対して残虐犯罪を犯し続けながらも自らの正統性を捏造しようとする軍政の試みを退けるために指導的役割を担わなければなりません。

今後、私たちは日本政府がその力強い言葉に見合う持続的で正しい行動をとることを期待します。私たちは、日本政府がそのために下記の行動をとるよう求めます。

  • 軍政の見せかけの選挙の実施を止めるため、また真の連邦制民主主義を確立しようと努力を続けているミャンマーの人びとの取り組みを支援する決然とした行動をとるために、ASEANや民主主義諸国と積極的かつ緊密に協働すること
  • 軍政の見せかけの選挙に対する国際社会からの反対を強めるために具体的な行動をとり、軍政がミャンマーの人びとに対して残虐犯罪を犯す能力を制限し、国境を拠点とするルートを経由して人道援助がもっとも弱い立場にあるコミュニティに届くようにすること
  • ミャンマー軍政に対するすべての関与と支援を直ちに停止し、連邦制民主主義をめざすミャンマーの人びとの取り組みを支援するため、民主派のステークホルダーや正当性のある代表と正式にかつ意義ある形で関与すること

見せかけの選挙を実施しようという軍政の計画に日本政府が懸念を表明したことは正しい方向への一歩です。しかし私たちは、政府開発援助や公的資金の供与を含む日本政府のその他の関与から軍政が利益を得ている可能性があることを深く懸念しています。こうした資金の供与は軍政の見せかけの選挙の実施や、ミャンマーの人びとに対する残虐行為をさらに促進する可能性があります。したがって私たちは、市民社会が求めてきたとおり、継続中の円借款事業をすべて停止するようあらためて日本政府に求めます。

日本政府が道義に基づく指導力を発揮し、正しい外交を行なうことは、違法な軍政がミャンマーや周辺地域で暴力と不安定を悪化させるだけの見せかけの選挙を推進するのを阻止するうえできわめて重要になります。

今日、ミャンマーの人びとは真の連邦制民主主義と持続可能な和平を構築するためにはかりしれない努力をし、犠牲を払っています。したがって私たちは、軍政から容赦ない暴力をふるわれながらもミャンマーの人びとが民主主義を求めていることを、日本政府が認めたことに心から感謝しています。今後は、私たちは日本政府がミャンマーの人びとの呼びかけに応え、軍事独裁を終わらせ真の連邦制民主主義を確立させるための彼らの努力を支援することでミャンマーにおける民主主義、人権、そして平和に対して正しいアプローチと確固たるコミットメントを持続させることを期待します。

アーユス仏教国際協力ネットワーク
アジア太平洋資料センター(PARC)
国際環境 NGO FoE Japan
日本国際ボランティアセンター(JVC)
武器取引反対ネットワーク(NAJAT)
プログレッシブ・ボイス
メコン・ウォッチ
※以下、続いて賛同いただいた団体名を記載します。

本要請書に関する連絡先:
メコン・ウォッチ
〒110-0016
東京都台東区台東 1-12-11 青木ビル 3F
電話: 03-3832-5034
E-mail: contact@mekongwatch.org