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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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その他の地域2020/08/23

【街の灯トーク#6】コロナ禍で追いつめられる子どもたち②


子どもの声を聴く・子どもアドボカシー

ー子どもの声を聴くということ

甲斐田  日本は「子どもの声を聴く」ことが非常に遅れています。1989年に子どもの権利条約が国連で採択されてから30年以上たっているにもかかわらず、子どもの意見表明権が守られていません(日本政府の批准からは26年)。
 2009年には、「どんな年齢、どんな意見であっても子どもの意見は尊重されなくてはならない」という条約第12条を補完する文書(一般的意見第12号)が、国連子どもの権利委員会で採択されました。しかし、それも伝わっていませんし、これまで4回、日本政府に対して、国連子どもの権利委員会から勧告が出されていますが、いずれもこの子どもの意見表明権が守られていないことを指摘しています。
 ただ、進展がみられる点もあって、2016年の児童福祉法改正によって初めて子どもが権利の主体として認められ、子どもの意見尊重についても明記されました。でも、まだまだ根強いのが、「子どもの権利を認めたらわがままになってしまう」という誤解に基づいた考え方です。子どもの意見を聴く制度も整っていません。
 それが、今のコロナ禍でどういう違いとしてあらわれているか。この3月、子どもの生活に大きな影響を及ぼすこととなったのが、「休校」「外出自粛」でした。しかし、日本の政治家で、きちんと子ども向けにメッセージを発した人はいませんでした。それに比べて海外では、子どもむけの記者会見、子どもむけのメッセージが、きちんと子ども目線で語られましたし、カナダの首相は子ども向け番組にも出演し、子どもからの質問にていねいに答えていました。

ー子どもアドボカシーについて

甲斐田 こういった状況に対して、子どもアドボカシーが必要と思っています。子どもの意見を聴くだけでなく、その意見で社会が変わるようつなげることです。イギリスやカナダでは、20年も前から実践されています。そのきっかけは、子ども養護施設で子どもが声を発していたのに受け止められずに虐待が長い間起こっていたことがわかったことです。イギリスでは子ども評議会が設置されて、直接訴える場所ができました。
 この「子どもアドボカシー」については、日本で堀正嗣さんと栄留里美さんという方が第一人者で、イギリスの実践を視察されるなどして多くの著書で紹介されています。最近では、「子どもの声から始めるプロジェクト」という団体や、youtubeを通して「子どもアドボカシーを知ろう」と、児童養護施設出身の若者たちとともに発信されています。NPOの「しあわせなみだ」も、障害児の子どもたちに対する性暴力をアドボカシーでなくしていこうと取り組んでいます。
 こういった動きのなかで、この3月「子どもアドボカシーセンターOSAKA」が設立され、今後、名古屋でも子どもアドボカシーセンターが設立の予定です。このように少しずつ動き始めた背景には、千葉県野田市で栗原心愛ちゃんが「なんとかなりませんか」とSOSを発していたにもかかわらず、虐待で亡くなってしまった痛ましい事件があります。 これで、世論がだいぶ動くようになり、2021年には制度化されるのではないかという動きもあります。また、各地で子ども条例とか、子どもの権利条例が作られ始めていますので、声を聴くシステムも徐々に整い始めています。

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