文字サイズ

特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

会員になるには

国際協力の寺

国際協力の寺2021/07/07

留学生や実習生を地域とつなぐ


 神戸市にあるPHD協会は、海外から研修生を受け入れる傍ら、そのさまざまな研修先を近隣にもって長年活動をしています。昨年来、従来通りの海外研修生の受け入れは難しくなりましたが、これまでの知見と地縁を活かし、コロナ禍で困窮している留学生や実習生の方などへの食料ほか生活物資の配付や、居住支援などに取り組んでおられます。

 PHD協会をよく知るアーユスの会員さんから「いろいろ集まっているようだけれど、果物などはなかなか手に入らないみたい。お寺のおさがりなど喜ばれそうだけれど、声をかけられないかしら」と提案をいただき、Facebookなどでと呼びかけをしました。

 食品、中でも果物などは遠方からは届けにくい・・・とPHD協会の事務所周辺のお寺を検索してみると、本願寺派のお寺が多いことがわかりました。本願寺派は国内外の子ども支援に力を入れていたことを思い出して早急に連絡をとってみたところ、内部でも情報をまわしてくださり、なんと浄土真宗本願寺派兵庫教区のみなさまから、お米の協力のお申し出が!
 お近くということで、PHD協会と留学生のみなさんが神戸別院を訪問したのがこの春。神戸別院の方も、ミャンマーからの留学生が本堂に入ると五体投地を始めた姿をみて、作法や宗派はちがえども仏教のつながりを感じたそうです。特に、国軍のクーデター以降たいへんな状況にある故郷のことを想って手をあわせたのではないでしょうか。

 お寺がモノを巡らせる場になるだけでなく、訪れるひとの心を整える場にもなったときいて、アーユスも繋がりをつくるお役にすこし立てたかなと嬉しくなりました。

 そうしていたところ、今度はなんと神戸別院関係のご門徒さんから、留学生の方にお仕事のお声がかかったそうです。兵庫で農業を営まれているこのご門徒さん、コロナ禍でアルバイトの収入が減っている留学生がいると聞いて田植えをお願いしたいということになり、5月の末にミャンマーからの留学生が参加しました。

 その様子は、本願寺新報さんも記事にして紹介されています。心温まりますね!

 人手が足りない、食べ物が足りない。おすそ分けしたいものがある、仕事をしたい人がいる。そういった声は聞くものの、それがお互いのためになるかたちで繋がるのは意外にカンタンではありません。不要なものがたくさん届いてしまったり、お仕事の時期を逃してしまったり。けれど、そうしたニーズや人のつながりを的確に知るNGOやお寺などが仲介役になると、信頼感も増すし、相談もできて無理のない助け合いが気持ちよくできそう。

 実際に人と人が会う機会はぐっと減っているからこそ、こうした縁をつないでいくことこそ、今とても求められているなと感じます。PHD協会さん、浄土真宗本願寺派さんに倣って、アーユスもそうした役割を果たしていけたらと思います。
 もし、みなさまの地域や所属団体などでこのような活動にご関心あれば、アーユス事務局にご一報ください。アーユスも、必要なものを必要なところに巡らせるお手伝いができれば嬉しいです。