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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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スタッフ雑記帳

スタッフ雑記帳2023/10/01

久しぶりの関西交流会を開催しました


コロナ前、アーユスでは関西・東海でも合宿をおこなうなどして、会員の方々とNGOスタッフの学び合いと交流を図っていました。長らくお休みをしていましたが、やはり直接お目にかかる機会をつくりたいと考え、8月31日に京都の龍岸寺さんでやっと関西交流会を実現できました。京都や大阪のNGO、お坊さんや支援者の皆さん15名ほどが駆けつけてくださり、直接言葉を交わし、飲食も共にする温かな時間を過ごしました。

当日は、龍岸寺ご住職の池口さん(アーユス関西世話人)からお寺の来歴やユニークで多様な取り組みをうかがったのち、ゲストのCODE(海外災害援助市民センター。神戸市)の吉椿雅道さんをお迎えし、トルコ・シリア地震の支援活動そして活動理念についてお話しいただきました。

CODEは「困った時はお互い様」の精神で、これまで世界36の国/地域での災害や紛争の支援・復興に携わっています。普段私たちは日本から支援を「する」ことを意識はしますが、阪神の震災や東日本大震災で日本が世界からどれだけ支援があったのか、はっきり答えられないのではないでしょうか。吉椿さんはそうした世界地図も示してくださり、あらためて「お互い様」の意味に気付かされました。
CODEはトルコでは1999年の地震の際にも支援経験があり、そのご縁もあって発災直後の2月に現地入り、3月、6月と続けて訪問。現地協力者と被災地をまわり、被災者の声に直接耳を傾け「どこが取り残されているのか」を丹念に知ろうとする活動姿勢はCODEならでは、と感じる印象的なものでした。

トルコにおける活動も思いのほか政府の統制がきびしい様子がお話の端々からうかがえましたが、現地パートナーとは被災地3か所の仮設住宅村に「子どもと家族のケアセンター」を建設し、被災でトラウマを抱える子どもたちのケアや未就学児に必要な幼児教育の支援を行うとのことです。

神戸の震災が活動の原点であるCODEは「最後のひとりまで取り残さない」支え合いの精神を支柱にしていますが、紛争や自然災害が頻発するなかで全てに対応するのは困難に思えます。参加者からも「その精神は人生全般でも大切だと思うが、救えない辛さはどう克服するか」という質問が出ましたが、吉椿さんは長年の経験から「全部自分ではできないから『やれることをやるしかない』と考えるようになったし、だからこそネットワークが大切」と話されました。
「出会った一人ひとりを《最後のひとり》と思って接する」「NGOは偏っていて良い」「現実が等しくないからこそ、人間の尊厳の観点からみな等しくあるべき」といった言葉も。一期一会を大切にしてそれぞれの持ち場で自分ができることに力を尽くせば良い、全部を自分だけで抱え込まないことも大事、というメッセージにも励まされました。(〒)