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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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スタッフ雑記帳

スタッフ雑記帳2014/09/25

ホントの課題を見つける対話術とは


 先日、インド・ネパール・飛騨高山で地域資源を活かしたコミュニティ作りに取り組むNPO法人ソムニードのセミナーに参加してきました。タイトルは、「国際協力って、何のため?活動現場が生んだ、ホントの課題が見つかる対話術」。大学生や若い社会人など20名弱が参加。ソムニードが国内外の活動現場で培ってきた対話手法のエッセンスを学ぶというもので、課題を正しく分析して、役に立つ解決策を導く方法について勉強しました。

 住民参加型の開発の必要性が叫ばれる中、まだまだ解決策を持ち込む手法や、思い込み・相手の意見や考えに基づいてプロジェクトの立案しようとする傾向が開発現場で行われていますが、ソムニードが重視するのは、事実質問を通して、事実を一つ一つ丹念に聞いていくことによって、相手が課題(要因・構造)を分析するのを手助けするという手法。相手が気付かなかったことを自分で発見してもらい、解決策のヒントを得てもらうというところに大きなねらいがあります。

 また、事実質問を重ねることが対話を積み重ねることとなり、一緒に事実を見ていこうとする姿勢が信頼関係の構築にもつながっていると言います。こうした発見と実験の繰り返しを行うことによって、課題解決に結びつくプロジェクトにより近づくこと、本当の意味での住民にとって役に立つ開発になることをソムニードはめざしているそうです。

 当たり前のようなことかもしれませんが、それを一つの手法として確立させ、実践するという姿勢はとても大事であると感じました。参加者は若い人たちばかりでしたが、今までの思い込みを脱し、謙虚な気持ちで改めて自分の行ってきたことを見つめ直すということも重要であるので、この手法は、もっと上の世代の人にとっても参考になる部分が多いと思います。

 人間関係においても、「思い込み」や「押し付け」というのはなるべくしないように、と思いながらも、知らず知らずにそういう習慣が身についてしまっていて、それで他人を見てしまったり、求めてしまったりということが往々にしてあります。本当に気をつけたいですね。

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