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その他の地域2018/11/13

思索する:加賀・能登スタディツアー2


思索の道を歩く

 日本代表する哲学者や文豪にこれほどまで会えるとは! というのが、金沢から能登を訪ねて思った2つめのことでした。泉鏡花に室生犀星、はたまた暁烏敏など、次から次へと出てきますが、調べているとこんなサイトもあったのでご紹介します。

 そして今回訪ねた2つの記念館「西田幾多郎記念哲学館」と「鈴木大拙館」は、ひっそりとした佇まいの中、とても考えさせられる場でもありました。そう、日本の哲学や仏教史の中でも大きな存在を示すお二人も、石川県のご出身。なんと、石川四校の同窓生だったそうです。

18st7 西田幾多郎記念哲学館は、金沢から少し離れたかほく市の小高い丘の上にあります。そこで目を引いたのは、西田や鈴木、その友人たちである教育者の山本良吉などと交わした書簡。それぞれが思うことや相手に対する意見だけではなく、お互いに身内の不幸を労り合う内容などもあり、彼らの人生がじーんと伝わってきます。学友とはかくあるものだったのだろう、だからこそ彼らの思想は高みに登っていったのだろうと心から感じいったものです。
 またこの記念館のおもしろいところは、研修施設を併設しているところで、今でも映画上映やコンサートのみならず、哲学講座や研修会が開催されているところです。18st8

 鈴木大拙館にしても、展示物は多くはありません。しかし、西田記念館であれば丘を登るように思索の道が建物に続き、鈴木大拙館では水鏡の庭という水が張られた庭があり、その横には思索空間がありました。私たちに、ただ見るだけではない、「考えろ」と言い続けている。パンフレットにあった、「哲学は、自ら、迷い、考え、真実を追い求めることです。すぐに分かる必要はありません」という言葉の通り、すぐに答を欲しがるのではなく、追い求めることの大切さを教えてくれました。

 情報やアイディアの発信は都市だけで始まるものではない、思索する場があり仲間がいれば、新たな発想や考えは生まれてくるのではないでしょか。(M)