平和人権/中東
平和人権/中東2019/12/05ツイート
【アフガニスタン】中村哲氏の訃報に寄せて
12月4日、ぺシャワール会の中村哲氏が、アフガニスタンのジャララバードにて銃撃され、現地スタッフと共に命を落とされました。この事件で犠牲になられた方、ご遺族のみなさまに、心から哀悼の意を表します。
中村さんとは直接お目にかかることはなく、またアーユスとしてペシャワール会と何らかの接点を持つことはありませんでしたが、これまで30年以上にわたる活動には常に敬意を払っていました。医者として、医療だけではなく、生活そのものをよくしていこうと、農業や灌漑事業などにも現地の人々と一体となって手掛けてこられたのは、他に類を見ない功績だったと思います。
中村さんたちの訃報が流れた時、まっさきに思ったのは、アフガニスタンの人たちがさぞかし残念に悔しく思っているだろうということでした。私たちアーユスは、日本国際ボランティアセンターのアフガニスタン事業に18年にわたり協力してきて、毎年のように、現地スタッフの誰かが来日され、お話をする機会がありました。誰が来ても耳にするのは「平和を取り戻したい」という思い。そして、長年続く紛争はもうたくさんだという声。その思いを形にし始めたのが、数年前に開始した「平和教育プログラム」です。彼らは、暴力によらず対話による問題解決を進め、地域の調和を図ろうとしています。
そんな中、自分たちの国のために働いてきたペシャワール会のメンバーが、自分たちの国で殺されたとは、その悔しさたるや・・・想像をはるかに越えるものでしょう。
このたびの事件を受けて、日本国際ボランティアセンターが現地のパートナーNGO「YVO」と共に共同声明を発表したので、ご紹介します。詳しくはリンクをご覧ください。以下は、最後の段落です。
このたび犠牲となった方々、そのご家族・ご友人・関係者の方々へ心からお悔やみを申し上げるとともに、私たちとしても引き続き、教育支援と、暴力に傾倒しない平和で安定した地域づくりの取り組みを決して諦めてはならないとの思いで活動してまいります。(抜粋)
アフガニスタンの人たちは既に多くの悲劇を乗り越えてきています。彼らはだからこそ、これからも暴力に頼らない地域作りに取り組み続けるのでしょう。ペシャワール会のメンバーを襲った事件は、まだ真相が明らかになっていません。このたびの事件を心から残念に思う気持ちに加えて、一刻でも早く事件の全体像が明らかになり、アフガニスタンの友人たちが活動に取り組めることを、私たちも願っています。