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平和人権/中東

平和人権/中東2023/10/13

イスラエル・パレスチナにおける武力行為の即時停止への働きかけを求めます


10月11日、パレスチナ支援に携わる日本の市民団体が、4団体合同で要請文を発出し、外務省に提出しました。アーユスも10月13日付でこの要請文に賛同しました。


日本のNGOによる要請文

 

上川 陽子 外務大臣

日本のNGOによる要請文
イスラエル・パレスチナにおける武力行為の即時停止への働きかけを求める

 

 イスラエルとパレスチナ・ガザ地区において10月7日に始まったガザ側からのロケット弾と、イスラエル側からのミサイルの応酬は未だ止むことがなく、双方の市民に多数の死傷者が出る事態となっています。

 現地時間の10月10日時点で、イスラエルでは900名以上(イスラエル政府の発表)、ガザでも900名(ガザ保健省の発表)が死亡し、負傷者はイスラエル・ガザともに数千人を超えています。ガザを実効支配するハマスの戦闘員がイスラエル側に侵入して銃撃などによる攻撃を行い、多くの人々が犠牲になりました。また、多数のイスラエル市民や外国人、兵士を人質にとるなどしています。これらハマスの一連の行為に対し、イスラエルのネタニヤフ首相は「戦争状態にある」と宣言し、7日夕方から大量のミサイルをガザ地区に向けて発射しています。国際人道法で禁止されている医療施設への攻撃も行われ、医療従事者も亡くなっています。

 私たちパレスチナで活動する日本のNGOはこうした状況を受け、双方の犠牲者を心から悼んでいます。そして、あらゆる暴力行為、特に多くの市民を無差別に攻撃する暴力行為を、国際人道法違反として強く非難し、双方の武力行為の即時停止を求めます。また、これらの状況を踏まえ、以下を日本国外務大臣に要請します。

1)あらゆる外交的手段を用いて、当事国、国連安全保障理事会、中東カルテット(国連、米国、ロシア、EU)、或いはアラブ諸国が歩調を合わせて調停に乗り出すよう働きかけるなど一刻も早い停戦に向けた日本政府としての最大限の外交努力を求めます。

2)封鎖されているガザでは、特に水・食料・医療品といったライフラインの供給がない状態は絶対に避けなければなりません。被災者への一刻も早い救援に向けて、人道的停戦をイスラエル・ハマス側双方が受け入れるよう働きかける外交努力を求めます。

「天井のない監獄」と呼ばれるガザ地区は2007年以来イスラエルにより軍事封鎖され、1平方キロメートル当たり6千人が暮らす世界でも有数の人口密集地です。そうした中で昼夜問わず行われる空爆から、ガザの市民は安全な場所に逃げる手段もありません。ミサイルの音や光、恐怖により、人々は文字通り地獄のような日々を過ごしています。国連の報告では、10月9日時点でガザでは137,000名を超えるパレスチナ人が、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校などより安全な建物への避難を余儀なくされていますが、それでも100%の安全が確保されているわけではありません。そして、イスラエル国営の電力会社はガザ地区への電力供給を停止し、10日にはインターネットも遮断されたと聞きます。またガザへ入るための検問所は封鎖され、水や食料、医療品の搬入も厳しく制限されています。悲しいことに、こうした状況はガザでは数年毎に起きています。
 
 なお、10月8日に発出された外務大臣談話「イスラエル・パレスチナ武装勢力間の衝突について」(※)の第4項で「我が国は、これ以上の被害が生じないよう全ての当事者に最大限の自制を求めます」と言及されたことを、私たちは評価します。いかなる場面においても暴力の行使による解決は許されるものではなく、私たちは双方のあらゆる暴力行為に反対し、暴力行為を助長する行動や、暴力行為自体の即時停止を求めるものだからです。
(※)https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page7_000099_00001.html

 そして、私たちはイスラエルおよびパレスチナだけでなく、各国政府などと友好関係を有する日本政府に対し、双方の政府や関係各所へ今すぐ暴力の連鎖を停止するよう具体的な働きかけを一層強めることを求めます。さらに、長年抑圧されてきたガザの状況を踏まえて、パレスチナ問題の本質的解決へ向けた一層の外交努力がなされることを要請します。

2023年 10 月 11 日

特定非営利活動法人国境なき子どもたち
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
特定非営利活動法人パルシック
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
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