地震、水害など自然災害が国内外に続いた夏になりました。アーユスでも熊本地震への緊急支援に取り組んでいます。
熊本地震では、著名人たちが多額の寄付を表明したことが印象に残ります。YOSHIKI、大森元貴、亀梨和也、森高千里、長渕剛、B’z、嵐・・・ここには書き切れません。少し前までは芸能人が名前を出して慈善的な活動をすると「売名」「偽善」などと揶揄をされたものです。その空気を変えたのは杉良太郎さんの力が大きいでしょう。杉さんはさまざまな社会活動に取り組んでいらっしゃいますが「それは売名目的では?」と問われた杉さんは笑って「もちろん売名ですよ。だからあなたもなさったらいい」と応えたとのこと。「売名」「偽善」にたじろいでしまうのは何だろうとも思わされます。
ブレイディみかこさんの新著『それはどこでも起こりえる』は世界中、特にイギリスとアメリカで進行している分断と対立をリアルに伝えています。その後書きに興味深い指摘がありました。「トランプやファラージについて語るとき、彼らには『偽善がない』とよく言われる」「偽善よりは、ストレートな悪のほうがましであるという考えが、ファラージやトランプを支持する人びとの中にはあるように見受けられる」。公正や平等を重んじるという建前に裏切られてきた人びとが、建前と本音の使い分けをしない人に強さと正直さを見て、頼れるという感覚を持ってしまっているというのです。それは日本社会にも少なからず認められる心性でしょう。
日本と欧米では「偽善」の捉え方に少々違いが見られます。欧米のそれは宗教的感情が関わるようですし、日本では「出る杭」への反感を伴うような。しかしいずれにしても、今、「建前」の復権を求めたく思います。弱者のための力となる。他者を認め受け入れる。世間の不正に対して声をあげる。それらは「正しいこと」なのです。しかし実行は現実には難しいです。そんなことを自分が出来ると思うのはおこがましいとも思います。「売名」「偽善」のフレーズが頭に浮かびます。ここで先の杉さんのことばを思い出します。「はい。売名です」「はい。偽善です」。それは開き直りではなく、省みながらことに取り組む誠実な宣言と言えるでしょう。アーユスは、掲げている理念を「建前」と呼ばれることを拒否しません。堅持します。冷や汗をかきながらその理念のもとに重ねている諸活動へ、あなたもぜひご参画ください。(アーユス)