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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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平和人権/アジア

平和人権/アジア2022/12/01

JFCネットワーク活動報告(2022年10-11月)


【国内外の現場での活動の様子】

<フィリピン>

・現地事務所・マリガヤハウスの日本人スタッフの河野尚子が2020年4月1日に急逝し、同年10月から新しくソーシャルワーカーとなったクリスティンさんにより、毎月第1木曜日にオンラインによる「ベーシックオリエンテーション」実施が定着化しました。毎回10-15件(JFC母子またはJFC)の参加があります。

・東京事務所にもマリガヤハウスにも毎日数件の問合せがあり、現在オリエンテーション参加待ちは50件を超えています。

・「ベーシックオリエンテーション」実施の2週間後の木曜日に「ケース受付ミーティング」を実施しています。ケースを受理するための書類の確認を行いますが、インフレ率が6%を超え、日本も同様ですが、物価の高騰激しく、人々は経済的に非常に困窮していく中、貧困のために書類を取寄せるだけの費用が工面できずにこのミーティングに参加できない母子が約半分あるのが現状です。

・オリエンテーションの実施がオンラインとなり、マニラのマリガヤハウスではルソン島およびビサヤ諸島、ダバオのRGS-COWではミンダナオ島に暮らす母子からの相談を受け付けるようになり、フィリピン全土のケース相談を受け付けられるようになりました。

・2009年の国籍法改正後、日本国籍を取得したJFCたちが来日するケースが増えていますが、来日の際に悪徳なエージェントに来日と就労のサポートを依頼し借金を課せられるケースや国内の労働条件が悪く労働基準法違反のケースも見られます。

・そのため、11月29日(火)に第1回の国籍オリエンテーションを予定しています。オリエンテーション参加者は日本国籍を取得した、または取得間近のJFC当時者で、近い将来、来日する可能性の高いJFCです。

 

<東京>

・11月3日(木)にフィリピンのアテネオ大学で出版されたJFCのエッセイ集「Made in Japan」の日本語翻訳版「父の国・母の国をめぐる旅」の出版記念イベントとして「JFCフェス」を実施しました。数人のタレントのあるJFCたちによる詩の朗読、歌、二人芝居、ビートボックスなどの披露があり、書籍に関わったJFCたちからのスピーチもありました。60名の方が参加して下さりとてもいい会になりました。

・フィリピン(マニラとダバオ)でのケース受理件数が増えていることから、東京事務所は非常に業務過多となっています。翻訳作業をしてくれるインターンが日常的に欲しいです。

 

◆東京事務所でアシスト中の特に深刻なケースは以下の通りです。

・あるエージェントを通じて来日したJFCが仕事が原因で手の痛みがひどくなったケースで会社とエージェント側が労災を拒否している事案について労働組合に加入してもらい係争中です。

・当時小学校6年の時に19歳(当時)の大学生から性的暴力を受けた子についての慰謝料請求事件が継続中です。子どもだけでなくフィリピン人母にも大きなトラウマがみられるため、現在定期的に児童精神科医に通いカウンセリングを含めた治療を行っています。現在中学1年生になりましたが、最近不登校気味になっており、転校を希望しているため、都営住宅の引っ越し申請を検討しています。性的被害はその子の一生を破壊してしまうほどの事件ですが、子どもだけでなくその子の家族への影響も大きく、加害者の安易な軽はずみな興味本位の行動で一家全員の生活をめちゃくちゃにされてしまったと思いを強く持っていて本当に憤りを感じています。