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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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平和人権/アジア

平和人権/アジア2018/02/22

「南北コリアと日本のともだち展」を開催しました


ちょうど、平昌オリンピックが開催されているこの2月、大韓民国(韓国)・朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)・中華人民共和国(中国)そして日本に暮らす子どもたちの絵画とメッセージを集めて展示し、私たちの暮らす東北アジア地域の平和をねがう催し「南北コリアと日本のともだち展」が、2018年2月16日から18日まで千代田区のアーツ千代田3331にて開催されました。
アーユスも2001年の開始当初から実行委員会に関わっており、今年で17回目となります。

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今年の絵画のテーマは「わたしの楽しい時間」。
各地域から集まった、子どもたちの絵、約150点を展示しました。
韓国からは、パートナーNGOである(社)オリニオッケドンムの協力により絵が集まりました。小学3、4年生の男の子たちが多く描いていた「お父さんと自転車に乗りに行くとき」や、女の子の「家族や友だちといるとき」「いつも弟にとられてしまうけれど、お母さんと過ごす時間がすき」からは、誰かといっしょに過ごす時間を楽しんでいる様子をうかがうことができます。
朝鮮の子どもたちの絵は、ピョンヤン市内の小学校2校を直接訪問して受け取ってきたものです。ムンス水泳場やリョミョン通り、といったピョンヤン市内の比較的新しいスポットを描いたもののほか、学校の友だちと放課後にサッカーをしたり、水遊びをしたり、公園で遊んでいる絵なども寄せられました。
中国は、朝鮮半島にちかい東北部の延辺朝鮮族自治州から絵が届きます。州都・延吉にある延吉市少年児童図書館が募集に協力してくれて、延吉市だけでなくお隣の琿春市からも参加がありました。「家族みんなで祝う誕生日」「高速鉄道に乗っておばあちゃんの家にいったとき」などが鮮やかに描かれています。
日本の子どもたちの絵は、関東はもちろん、国内展の開催で協力してくれている福岡や大阪のほか、新潟や山口など「ともだち展」のことを知って応募してくれた人、都内の朝鮮学校や日本に暮らす中国朝鮮族の子どもたちなど、さまざまな地域から多彩な絵が集まりました。
ともだち展では、こうした展示作品の作者に向けて、お手紙を書いてほしいとお願いしています。そのお手紙は可能な限り本人に届けています。実際にすぐ会うことが難しくても、相手に思いを馳せることで相互のやりとりが生まれる、ともだち展ならではの仕組みです。
昨年も、出品作をピョンヤンや延吉などで見てもらいました。朝鮮や中国の子どもたちが寄せてくれた手紙も、会場で一部紹介しました。

さらに、参加している子どもたちの直筆メッセージを読むことのできる「大きくそだて、みんなの木」が、登場。
会場の外から見ても存在感のある展示ですが、その一葉一葉にこめられた子どもたちの思いもまた格別。ひとつひとつを丁寧に読んでいる来場者の方も多くいました。

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期間中は、ギャラリートークや子どもワークショップを実施しました。
17日(土)には「『平和』を共有するために」と題したともだち展の一年の取り組み報告、そして、フォトジャーナリスト林典子さんをゲストに迎えた「朝鮮の”ありふれた”日常」のギャラリートークを実施、普段はあまり見ることのできない朝鮮の様子や、朝鮮に暮らす方の映像などを紹介。会場は立ち見のでる盛況ぶりでした。
18日(日)は、子どもワークショップ「ともだちのまちへ〜絵の中に入って、東アジアのともだちと遊ぼう」に30名ちかい小中学生が参加。気に入ったともだち展の展示作品のなかに、自分の姿を描いて入り込んでみよう!と、取り組んでみたところ、5つに分かれたどのグループも「ピョンヤンの子が描いたスキー場の絵に入ってみたい!」とじゃんけん大会に。たのしい作品が仕上がりました。

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昨年は、一年を通じて「北朝鮮」がニュースでとりあげられ、いまにも開戦するのでは?日本が攻撃されるのでは?と騒がれました。
しかし、私たちは戦争に備えるのではなく、それぞれの地域で自らの暮らしを大切にし平和を願い続ける人びとと顔の見える関係をつくることで、「この地域で戦争が起きるということはどういうことか」を実感し、それを決して起こしてはならないという強い思いを共有し続けたいと思います。(〒)