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平和人権/アジア

平和人権/アジア2013/08/15

アジア農村部での水の問題 未来の水利用とNGO2回目


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東京でワークショップの様子

アジア農村部での水の問題 未来の水利用におけるNGOの役割2回目

日本こそ危機的状況だった

 話は日本に戻ります。日本の未来の水利用について考える機会を、東京と宮崎で持ちました。冒頭で述べたとおり、日本人に「水の問題は?」と投げかけても答えにくいのが実際です。そこで、ガンジス流域の共通項を参考にして整理してもらうことにしました。

 利用者の意識に問題はないのか?
 行政は必要十分に機能しているのか?
 適正技術は選択されているのか?
 社会的弱者は排除されていないか?
 水資源の持続可能性は?

 という具合に。そうしたら、皆さん考えやすくなったようで、活発な議論ができました。

 日本人は、公共事業あるいは大規模のシステムの中で、個人の意思が反映されないことにある意味慣れてしまっています。水道も広域化するにつれて、利用者と事業者の距離はどんどん遠くなり、お客様で甘んじられる反面、水源・浄化方法などの面で、希望を伝えるすべはない。でも、水が美味しくない、安全かどうか怪しいという感覚をどこかで持っているから、水道水は飲まずに、高いボトルの水を買って飲んでいる。大量のエネルギーを使って飲料水基準を満たした水を作っているのに、多くの世帯でトイレ・風呂・洗濯などの生活用水としてのみ使われる「とてつもなく大きな無駄」な状態を生んでいる、という声が上がりました。また、小さな水道事業体ほど水道料金が高く、料金格差が深刻であることも指摘がありました。

 ワークショップの参加者からは、「水について考えたことがなかったが関心の深いテーマだ」「目から鱗が落ちた」など感想を頂くことができました。(続く)(石山民子)