
この7月28日から30日まで、アーユスでは地震と水害に見舞われた能登半島の現在を学ぶスタディーツアーを開催しました。
輪島市、珠洲市、七尾市を車で移動したのですが、いたるところで道路工事が行われ、被災建物の取り壊しもまだ途上の模様です。
全日程の中で2つの宗教施設に伺いました。まず、輪島市の重蔵神社。1300年の歴史を誇るこの神社は、初詣の人びとを見送った夕方に被災。拝殿、社務所、境内社のすべてが全壊するという壊滅的な被害を受けました。にもかかわらず震災直後から炊き出しや支援物資の配布の拠点となるなど、地域の核であり続けています。それは、神職の方たちが常日頃から氏子さんをまわっていたこともあり、助け合える関係性が既にあったからこそでもあります。
七尾市では浄土真宗本願寺派の安楽寺でご住職と坊守様のお話しをお聞きしました。発災直後は近隣住民の避難所として、その後はボランティアの宿泊所として本堂を提供なさいました。安楽寺さんも、発災以前から地域の子どもたちにとっては最大の遊び場であり、マルシェなどの活動拠点でした。
両者ともに、地域外の寺や神社のネットワークが生かされたとのことです。それらのお話を伺い、災害時における宗教施設の可能性を再認識しました。災害という誰しもが不安に陥る状況にあって、宗教施設が持つ場の力はどれだけ安心を与えたことでしょうか。特に、在宅避難をされていた方は、物資だけでなく支援を求める拠点がありません。頼れる場があったのは、何よりのことだったのではないでしょうか。
珠洲市では塩田を見学しました。地震では海底隆起により海水運びが困難になり、水害では土砂崩れにより塩田が埋まってしまいます。それでも、現在は塩づくりを再開できています。
塩田の解説をしてくださった方は震災時、すべてのライフラインを失い、破壊された道路をなんとか通って金沢へ避難したそうです。着いた金沢は日常がそのまま動いていました。スーツを着た人びとが普通に仕事に向かっていました。地震など何もなかったかのように。自分の体験は夢だったんじゃないかとさえ思ったその違和感は忘れられないとおっしゃっていました。
被災体験はいくら言葉をつくしても伝わるのは何分の一くらいなのでしょう。だから、聞き手は、ことばの裏にいくつもの思いがあることを想像することが大切だと学んだことでした。
折しも、スタディーツアー中に熊本地震が発生しました。アーユスは想像力を働かせながら支援に動きます。(アーユス)