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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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スタッフ雑記帳

スタッフ雑記帳2017/06/27

2017年度会員総会&総会セミナーを開催


 6月14日に東京・江東区の長専院でアーユスの2017年度会員総会と総会セミナーが行われました。総会には27名が、総会セミナーには48名が参加。平日の昼間ということもあって会員の参加が少なかったのは残念ですが、総会セミナーには、アーユスとご縁のあるNGO関係者やクラスター爆弾の問題に関心がある方に多く集まっていただきました。

 まず総会では、2016年度の事業・決算報告および2017年度の事業計画案・予算案が審議され、それぞれ賛成多数で承認されました。事業報告では、例年恒例となっているアーユスの五大ニュースを発表。5位は、570万円の赤字を出してしまったこと。4位は、商業映画「アラビアのロレンス」の上映会により、これまでアプローチ出来なかった層との接点を持つことができたこと。3位は、専門委員制度が新しくなって今後のアーユスの活動への効果的なインプットが期待できるようになったこと。2位は、熊本大地震の支援を行い、国際協力の観点から日本国内の社会的弱者への支援を行う意義を再確認できたこと。そして1位には、ブレークスルー事業支援が始まったことが挙げられました。この支援事業は、これまでアーユスが過去に組織強化支援を行ったNGOが組織面及び事業面で困難な状況を打開(ブレークスルー)するきっかけとなり、組織としての持続的な成長や活動の質の向上が図られるなど、より良い形でステップアップできるように後押しするものです。アーユス及び関係NGOとの更なる関係強化や連携・協働の機会が広がることも期待されます。

 続いて、各事業の担当者がパワーポイントで写真を見せながら要点を整理し、2016年度の活動状況を大枠で理解いただけるような報告を行いました。2017年度の事業計画では、難民問題、エネルギー、安全保障などの課題に注視しながら、経済活動を始めとする私たちの行動と社会問題の関係を考え、人や社会や環境に配慮した行動を促進することや、NGO支援事業と教育交流事業が有機的に絡み合う仕掛け作り、パートナーNGOとの共同企画実施を増やしていくことなどが方針として掲げられました。さらに新規支援事業スキームの構築や寄付の拡大に向けた仕組みづくりについても言及しました。

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 続いて行われた総会セミナーでは、2017年度からNGO組織強化支援事業の対象団体となった「地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)」の目加田説子さんを講師に、特にJCBLが最近力を入れているクラスター爆弾をなくすための取り組みについて詳しくお話を伺いました。

 クラスター爆弾(集束爆弾)とは親爆弾に多数の子爆弾が装填された兵器で、1回使われるたびに数個から数百個の子爆弾が広範囲に拡散され、無差別に人々を殺傷します。特に子どもが最大の被害者であり、不発弾は地雷化して、使用されてから長い年数が経っても人々を苦しめ続けます。JCBLは、こうした非人道的な兵器であるクラスター爆弾が製造されないように、国際的なNGOの連合体とも協力しながら、クラスター爆弾の製造企業への投融資を禁止するキャンペーンを展開しています。2017年5月には、オランダNGOのPAXとクラスター兵器連合(CMC)の関係者が来日して、「クラスター爆弾への世界の投資―共通する責任」の最新版(第8版)発表に合わせた記者会見や院内集会を開き、この運動への理解と協力が広く呼びかけられました(詳細は、http://ngo-ayus.jp/column/international/2017/06/jcbl/をご参照ください)。

 クラスター爆弾については、その使用と製造の禁止、除去・処理、備蓄分の廃棄を求めるオスロ条約(クラスター爆弾禁止条約)に101ヶ国(119ヶ国が署名)が締結するなど、国際的に禁止しようという動きが拡がっていますが、米国・ロシア・中国・中東諸国などの国々は加盟していません。クラスター爆弾は最近でもロシア軍・シリア軍・ISISがシリア国内で使ったり、サウジアラビアがイエメンで使用したことが報告されています。目加田さんは、こうした事例を挙げながら日本の金融機関もクラスター爆弾製造企業への投融資を行っている実態を明らかにした上で、私たちが金融機関に預けているお金がそのような投融資に使われている可能性があることを理解して自分でできることを考えてほしいと呼びかけました。

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 目加田さんのお話を聞いて、クラスター爆弾という非人道的な兵器を禁止しようというある種の国際的なコンセンサスが得られやすい問題でも、将来的に全てを廃棄するとした上で、今後の平和と安定した秩序の実現のためにやむなく製造・保管を続け、必要が生じた際にはあくまでも抑制的に最低限の使用にとどめることを前提/根拠にクラスター爆弾を製造・保有することの正当性を見出す超大国や多国籍企業等と、1日も早いクラスター爆弾の禁止・廃棄を訴える市民社会との闘いが続いていると感じました。どんな論拠を持ち出しても、クラスター爆弾が使用される度に多くの民間人が殺傷され、その後も長年にわたって多くの人たちの生活を破壊し、苦しみを与え続ける恐ろしい兵器であることに変わりはありません。1人ひとりが自分の預けているお金がどのように使われているかを把握して、預け先に何か問題があるようだったら面倒でも躊躇せずに代えてみるというちょっとした行動をより多くの人が実践することで、本当に世界を変えることは可能なのではないかと思いました。(井上 団)