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スタッフ雑記帳

スタッフ雑記帳2016/07/28

SDGs達成に向けた社会を実現していくためには


 昨日、ミレニアム開発目標(MDGs)と持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた政策提言やアドボカシー活動を行う「動く→動かす」の総会とシンポジウムに参加してきました。

 既に、開発NGOや環境NGO・NPO、国内課題に取り組むNPOなどが連携・参加するSDGsの達成に向けたネットワークとして「SDGs市民社会ネットワーク」が今年5月に設立されており、「動く→動かす」がその事務局を担っています。また「動く→動かす」自身も、今後はSDGsの国内実施(国際協力を含む)に向けた市民社会のプラットフォーム(の一つ)として活動を継続・発展させていくことが合意されています。これら2つのネットワークがどのように連携あるいは融合していくのかは分かりませんが、とにもかくにも、いままさに市民社会の中でSDGsの達成に向けた強力な市民ネットワークがつくられようとしています。

 SDGsは「このままでは世界が立ち行かない」との強い危機感のもとで作成され、2015年9月の国連特別サミットにおいて全会一致で採択されました。環境を守りつつ経済を持続可能な形で発展させ、公正で安定した社会をつくっていくために、2030年までに貧困・格差、気候変動などの問題の解決をめざした17の「持続可能な開発のためのグローバル目標」です。

 今年5月に、安倍首相を本部長、全閣僚を本部員とする「SDGs推進本部」が設立されて、現在「SDGs実施指針」の策定が進められていますが、シンポジウムでは「もし○○がSDGs実施指針をつくることになったら?」というテーマで、NGO、企業、消費者、地域/自治体、ユース、生活困窮者、それぞれの分野で活動されている方々が登壇して、「もし実施指針を作るならこの点を入れる必要がある」というポイントを具体的に5つ提示するというスタイルで議論が行われました。詳細は割愛しますが、どのパネリストからも包摂性(誰一人として取り残されないこと)を基本に、マルチステークホルダー間の対話・参画・連携、それぞれのセクター内での意識変革、議論と実践のプラットフォームを造ること、既存の総合計画や部門別マスタープランの中にSDGsの目標を盛り込むことの重要性などが指摘されました。

 まだまだSDGsは一般社会に定着している概念とは言えません。いかにより多くの人に知ってもらい、日々の生活や仕事、活動に取り入れていくことができるのか。課題は山積しています。SDGsで何を変革すべきなのか、SDGsをそれぞれの団体の活動にどう落とし込んでいくべきなのか。今後セクター間を超えた真剣な議論が必要になっているのは間違いないと思います。(井上団)

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