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スタッフ雑記帳

スタッフ雑記帳2013/11/19

11/14 PHD協会研修生との交流会を行いました


 11月14日に東京・町田の勝楽寺で、毎年恒例のPHD協会研修生との交流会が行われました。今年はネパール、ビルマ(ミャンマー)、インドネシアから来た3名の研修生が、それぞれの村での生活の様子や日本での研修について、半年余り勉強しただけとは思えない流暢な日本語でお話しいただきました。

 ネパールから来たプレムさんはカトマンズから車で3時間、さらにそこから歩いて1時間ほどのところにある標高1,400mの村の出身で、米、とうもろこし、たまねぎ等を作り、水牛7頭、ヤギ10頭などの家畜を飼育して生活しています。6年前に村人が作ったという製粉機でとうもろこしを粉にしていますが、動力は水力発電とのこと。また、家畜の糞からメタンガスを作って煮炊きをしていて、身の回りにある自然でエネルギーを作って慎ましい生活を送っている様子が伝わってきました。ちなみに、冬場は雨が少ないため水力発電で作る電気は足りなくなるので、テレビを見るのは夏だけだそうです。村から初めての研修生ということで村の期待を一身に背負って日本で有機農業の研修を受けています。

 ダリスマンさんは、インドネシアの西スマトラ州出身。州都パダンからバスで3時間ほどの山村で暮らしていてイスラム教を信仰しています。週一回のモスクでのお祈りは欠かさず、手・顔・頭・足と順番に身を清めてから西の方に向かってお祈りする方法を教えてくれました。ダリスマンさんの村は母系社会で、家を継ぐのは女性と決まっていて、男性が所有しているのは服・ズボンだけ。大学には行かず、1年間石炭を掘る仕事をした後、現在は米やさとうきび、とうがらしなどを栽培して生活しています。村では2年前に水道が引かれましたが、以前のPHD研修生が作ったとのこと。1キロ以上離れたところから引っ張ってきているそうで、作るのが大変だったようです。また政府からトイレが支給されたものの便器のみで、囲いは自分で作れとのこと。そんなものを作る余裕はないので今でも大自然に囲まれながら用を足しているそうです。

 モーママさんの名前は「雨のお姉さん」という意味だそうです。ビルマ第二の都市マンダレーから車で1時間ほどの人口約2,700人の村。家族全員で農業をやっていて、米、マンゴー、菊、野菜を育てています。6人兄弟の5番目ですが、学校に行ったのは本人だけ。托鉢に来るお坊さんに食べ物を手渡すのが彼女の仕事だったそうで、10日間の体験プログラムでお坊さんにもなったことがあると話していました。2009年からマンダレーのYMCAで保健ボランティアを行っていて、マラリヤ予防や家族計画などを手伝っているそうです。図書館の運営も志していて、日本では図書館のことも勉強しています。

 3名とも日本での研修では、にわとりのエサの作り方や微生物を使って土を元気にする方法などを学び、特に時間の大切さを学んだそうです。また、どの国の村でも歯磨きをしないのが一般的で歯についての勉強が興味深かったとのこと。協同組合について学ぶことも重要なテーマとなっています。さらに、本国では人前で話すことはありませんでしたが、日本での研修はそれも一つの目的であり、農業や保健衛生のリーダーとして育って欲しいというPHD協会の思いが込められています。

 日本で一番驚いたことは「トンネル」だそうです。3名とも山村の出身ですが、山をくりぬいてトンネルが掘られていることが衝撃的だったようで、日本では当たり前のように思っていることでも別の視点から見ると普通ではないということがよくわかりました。確かに日本のトンネルを作る技術は高いのかもしれません。逆にこんなにたくさんトンネルを掘る必要があるのかなとも思いますが・・・。

 今回でPHD協会の研修生とお会いするのは3回目ですが、毎回違った発見や驚きがあってとても楽しいです。また来年も同じ時期に研修生の受け入れがあるかと思いますので、ぜひとも多くの方に参加していただき、アジアの研修生たちと交流を深めていただければと思います。

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