文字サイズ

特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

会員になるには

スタッフ雑記帳

スタッフ雑記帳2013/06/11

タイの原発計画の現状について聞く


 昨日、メコン・ウォッチでタイの原発推進の現状がどうなっているかについてお話を伺いました。現在タイはエネルギーの7割を天然ガスに頼っていて、パイプラインが敷設されてからビルマ(ミャンマー)からの輸入も増えています。今後エネルギーの供給源を多様化する必要があることや、エネルギー需要が右肩上がりで高まるにつれて電力事情が逼迫することが予想されるとの説明で原発の導入が検討されています。

 現在タイ国内の6ヵ所に原発建設の予定地があるそうですが、中でもウボンとガラシンという2ヵ所の地域が有力視されています。ここはタイの発電公社が既に土地を持っていることや、建設反対の声も他の地域と比べて少ないことから有力な候補になっているとみられています。タイでは1980年代から90年代にかけても原発建設の計画があったそうですが、諸事情があって頓挫していました。しかしながら最近になって急速に話が盛り上がっているそうです。

 ただ原発建設に疑問を抱いている人たちからみると、実際のところタイの電力事情は全く問題ない状況で将来的にも足りなくなることはあり得ないとのこと。そうした中、なぜ原発を導入しなければならないのか理由がよく見えないのが実情のようです。タイ国内では3.11の後、反原発の運動が一気に高まったものの、現在は個人で頑張っている人たちがいるものの、大きなうねりにはなっていないとの説明がありました。

 原発予定の候補地は、いずれもタイの中でも経済的には立ち後れている地域で、ここでも日本での原発建設・誘致をめぐる問題と同じ構造が隠されているように感じました。日本政府はトルコやアラブ首長国連邦、ベトナムで原発建設に協力していく意向を示していますが、タイの原発計画においても注意深くみていく必要があると思います。