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スタッフ雑記帳

スタッフ雑記帳2013/05/29

5/29 東京に「市民」発電所を!


 昨夜、歌舞伎町のロフトプラスワンで行われた標記イベントに参加しました。サブタイトルは、「エネルギー消費地から生産地へ、地域力が社会を変える」。タイトルに惹かれたのとゲストが豪華だったのでぜひ聞いてみたいと思って参加しました。開始時間と同時ぐらいに入店したのですが、中は超満員。通路には簡易椅子が並べられて歩くのも不自由なほど熱気であふれていました。

 写真家の桃井和馬さんがインドのラダックで撮った電気に頼らない自給自足の生活が紹介された後、多摩市や世田谷区で行われている太陽光発電の取り組みなどに関して、それぞれの首長さんやNPOの方々から報告がありました。ちなみに世田谷では「ヤネルギー」といって民家の屋根への太陽光パネルの設置を推進しているそうです。保坂区長からは簾を使ったベランダ発電のアイデアなども飛び出し、これまでの常識や発想を変えて、エネルギーは東電に頼るのではなく、自分たちや地域で生み出していくんだという方向に変えていかないとダメだとの思いがひしひしと伝わってきました。まさに、原発のような中央集権的な発想による大規模かつ広域でのエネルギー供給の時代は終わって、これからはそれぞれの地域が持っているリソースを使った分散型のエネルギー需給を考える時に来ていることを肌で感じました。

 自然エネルギー推進で先を行くドイツやデンマークの事例も紹介されましたが、もともと日本は戦前には8万ヵ所にも及ぶ小水力発電所が全国各地に点在していたとのこと。戦争遂行による効率化が求められる中で、そうした小水力発電は次々と姿を消してしまいましたが、日本には自然エネルギーを推進していけるポテンシャルが高いことは明らか。かつての小水力発電の経験や知恵を甦らせ、太陽光や風力などと組み合わせた自然エネルギー供給の仕組みを官民が一体となって進めていくべき時に来ているように感じました。なにしろ現在は原発が2基稼働しているだけで今夏も電力が十分にまかなえるんですね。そういう点では、日本は世界の主要な経済先進国の中では最も「脱原発」に成功している国ともいえます。わざわざ危険な原発を稼働させなくても十分電力はまかなえているわけですから、国や電力会社、その関係企業などはぜひ発想を切り替えていただきたいなと思います。その前に市民レベルでも自分にできることをやってみるなど意識を変えていかないと社会は本当によくならないと思います。もうやるしかないでしょ。

多摩循環型エネルギー協会のサイト http://tama-enekyo.org/