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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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その他の地域2019/09/17

台風一過の千葉を訪ねて


このたびの千葉県南部の台風被害にあたり、9月11日(水)と15日(土)の二回にわたって現地を訪問しました。

二度目は勝楽寺さんが車を貸してくださったこと、千葉に行くことを知った方からのご寄付や、事務所近所の長専院さんからの物資提供があったことで訪問が可能となりました。

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信号機の点灯していない交差点

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倒木が道を塞いだり電線を断線したりしている場所を散見

11日(水)は、市原市、君津市、袖ケ浦市へ。車で走っていると、信号がついているのもあれば消えているのもあり、コンビニも閉まっている店舗、ドアが開け放しの店舗、通常営業などさまざまでした。

市原市の寺院は、お寺自体の被害はなかったようですが、周囲の地域はバラバラと停電していました。「テレビをつけても日韓関係と組閣のことしかやっていない」「ガソリンはあっても、停電でガソリンスタンドが機能しない」「携帯電話に充電できても、基地局がやられると使い物にならない」など、インフラの寸断をまざまざと感じさせられました。冷房のないなか暑さを逃れてお寺に来られている方もいて、お寺に頼って来られる方や、地域の方々に役立てていただけたらということで、水を支援しました。

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立ち寄ったコンビニの冷凍スペース

15日(土)は、館山市と袖ケ浦市の寺院と会員さんを訪問しました。

事前にお預かりした支援物資は、館山市内でボランティア活動をする「Tsunagariプロジェクト」さんに託しました。週末ということもあり、物資を持ち込んでくる方、ボランティアに来られた方が出入りしていましたが、拠点となっている宿泊施設も被災しており、その修理も同時並行で大変な様子でした。

また袖ケ浦の関係者のお寺は、水曜に続き2回目の訪問でしたが、やっと倒木が除かれて通行できるようになり、境内もかなり片付いていたので、外壁など少し掃除のお手伝いをしてきました。近くでは栃木から応援の電力会社が来て、復旧作業を進めていました。

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館山市内の寺院は、「停電はあるけれども、被災は大きくありません。しかし周りにはもっと大変なところがあるので、海岸沿いを何ができるだろうかと回っております」とご住職はご不在でした。館山の海岸沿いは、保養施設も多い季候の良い場所。「この土地の人は、肋骨が何本か足りない、と言われるのですけれど(ヌケている、のんびりしている、という意味?)、強いことがわかりました。電気が来ないなら生ものはどんどん食べてしまおうとか、思いのほかたくましく励まされます。行政には期待しておりません」とお話されていました。道沿いは、大きな看板が傾いたり倒れたり、瓦屋根をブルーシートが覆っている場所が多く見られました。

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屋根にのぼって今後の雨に備える

また海岸沿いに暮らす会員さんは、「停電すると断水も始まる。昨日ようやく解消してホッとしたら、今朝からまた停電。台風のあと、何日も千葉の状況が知られず報道されていないことにも驚いたし、ラジオからは『明日中には復旧する』と毎日言われて一週間。対応が難しい」と、必要な情報が入らないこと、報じられないことに不安を持っておられました。

冷房から通信まで、そのほとんどを電気に頼らなくては成り立たない生活に、日ごろからの備えと心構えは不可欠と感じます。また停電が、地域全体のシステムダウンにつながるというのは、想像を超えた被害の大きさでもありました。アーユスがこの数年考えている地域の力というテーマは、防災の視点からも重要なのでしょう。

今のところアーユスでは、会員さんや関係者の方々をお見舞いし、そこからできることを探すくらいしかできませんが、少しでも早い復旧を願います。