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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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その他の地域2020/06/12

【街の灯トーク#1】難民としてコロナ禍の日本に暮らす⑤


難民としてコロナ禍の日本に暮らす⑤

質疑応答:性差による課題の違い? 地域の取り組み? など

枝木:さて、いろいろ聞かせていただいたのですが、そろそろ質問もいくつか入っていますのでそちらを受けてみたいと思います。まず、メールでいただいていた質問から。
「難民の方でも、男性と女性で課題や支援の違いがありますか」というご質問です。

新島:私たちのほうに登録されている方で言うと、女性の割合がだいたい20%くらいです。今まで20%はずっと変わらないのですけれども、属性が少し変わってきています。これまでは家族で来られていた妻であったり子どもであったりした女性たちが、最近は単身の女性が増えてきている。単身女性の割合が、これは調べていないので感覚的なものではありますが、増えているように思うのです。やはり、女性であることで脆弱な状況におかれますし、助けを求める先が男性であったりする場合だと、例えば家に間借りさせてもらうかわりに性的な関係を強要されそうになったり、実際にされてしまったという相談を受けます。女性であるということだけで、更に脆弱な立場に置かれてしまうということはあると思いますので、ホームレスにはさせないですとか、シェルターが埋まっていても、事務所の近くにある女性専用のホステルに泊まっていただいたりもします。
 単身の女性が増えている背景には、強制結婚や女性器切除の強要もあると思われます。

枝木:次のご質問です。「難民申請はたいてい東京で行われていると推測しますが、東京以外の土地に、例えば知人を頼って移動したりすることもできるのですか。地方から、そういう方々に協力することはできるか」ということです。

新島:ありがとうございます。移動することですが、例えば東京周辺に住まわれていた方が他県に移ることはあります。ただ、在留資格のある方ですと、比較的簡単に手続きして住所変更ができるのですが、仮放免の方たち、仮放免というのは在留資格はないのだけれども収容せずに外で暮らすことができはするのですが、たとえば東京に住まわれている方が埼玉の友だちの家に一日だけ会いに行くなど、ご自身が届け出た住所地から別の自治体に移動するには、事前に入管に一時旅行許可書という申請をして許可をもらわないといけません。

枝木:ある種、犯罪者的な扱いということでしょうか。

新島:はい、収監されていなくても移動の制限があるということですね。栃木に住んでおられる方が私たちの事務所に相談に来たいという場合にも、事前に「難民支援協会に行きます」と入管に申請して許可を得ていらっしゃるんですね。というわけで仮放免の場合ですと、簡単に移動することもできない状態です。

相談に来訪された難民が英語話者以外の場合、必要に応じて通訳を手配して相談対応している。今回の体制になって以来、通訳の方の事務所への来訪も控えていただいているため、オンライン通訳で相談対応している様子。

枝木:わかりました。次に子どもたちについての質問もきています。「特に収監されている方々のお子さんたちは、親御さんに会うことはできているのでしょうか」ということですが。

新島:特別な取り計らいがあるわけではないので、普通に面会をされている方はおられるかもしれませんが、入管の面会室というのは、ドラマに出てくる刑務所でアクリル板越しに接見するような状態で会わなくてはいけないので、お子さんたちに心理的に与える影響はとても大きいと思います。支援者という立場で、しかも大人であっても、自分の支援していた方が収容されてしまって面会に行くだけで、なんとも言えない気持ちになります。お子さんたちがもし面会できたとしても、どう思われるかというのは・・・気になるところです。

枝木:もちろん、抱きしめてあげるとか、もらったりとか、そういうこともできないということですよね。辛いですね。
 どんどん質問が来ています。「難民支援協会さんが自治体と連携して、その地域の住民の一員として暮らしていけるような受け入れ方、地域づくりを目指して協働されているということでしたが、どういうことをされているのか、差し支えなければ自治体名を教えていただけないか」ということです。

新島:主に行っているのは、自治体そのものに対して「もっと受け入れてください」というよりは、既におられる方とどう周辺、関係者、既存のコミュニティの方々とうまく共生していけるかということを、例えば医療機関の方、自治体の方ももちろんですが協働してできないか、在留資格がなかったり身分が不安定だったりしても住民としてお住まいですので、うまく橋渡しができないかなということをチームで対応しています。
 ビルマからの方が多い新宿区や、クルドの方が多く住んでいる埼玉の地域で活動しています。

枝木:ありがとうございます。ではあと二つの質問です。「アフリカからの方が多いということですが、どういった目的でどのように来日されているのですか」。あと、「帰国された方のフォローなどはされているのですか」ということです。

新島:迫害を受けるなど、身の危険を感じて本国に暮らしていたら殺されたり拷問にあったりということで、日本に庇護を求めて逃れてこられます。どのようにというのは、多くの場合、ビザをもって飛行機で来られるのですが、パスポートやビザも、本国から脱出しようとしているのではないかと目をつけられるために、自分で申請することが難しい方は、他人を介して手配をしてもらうことがあるんですね。その時に、介した人から受け取ったパスポートの中を見たら、日本のビザがついていた、といったように、その人が日本を希望していた、目指していたわけではないけれども、行く先が日本だった、いちばん最初にビザが下りたのが日本だった、選択肢が他にないから、と来られる方も多いです。私が昨日話した人も、日本に来る5日前に行き先が日本だということを知った、ということでした。

枝木:それなら、本当にコミュニティはないですよね。こっちに来たところで知り合いなんて。

新島:そうですね、誰も知っている人なんかいないけれど、とりあえず日本になら脱出できるから、ということで。
 帰国後のフォローについては───できていないですね。ご自身で帰国を選択される方もいらっしゃるのですが、まずは到着してすぐに捕まることもあるので、無事に空港から出られたら必ず連絡をくださいということはお伝えしています。無事に生活していますと連絡をくださる方もいらっしゃいますが、その後ずっとフォローすることまではしていないですね。

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