文字サイズ

特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

会員になるには

平和人権/アジア

平和人権/アジア2013/09/20

アジア農村部での水の問題 未来の水利用とNGO3回目


639x424

今の日本の私たちに必要なことは?

 まずは浄水方法や水源について関心を持つことです。浄化法には、戦前からから使われてきた緩速ろ過、戦後急速に普及した急速ろ過、ごく最近の膜ろ過の3つがあります。

 AANは緩速ろ過装置を長年バングラデシュで普及してきました。砂や砂利に棲む微生物が水をきれいにするという面から「生物浄化法」とも呼ばれています。AANは、現地にある材料で、現地の人が管理しやすい技術を使って、飲料に適する水を作ることを目指してきました。小規模のものなら電力も使いません。譲渡をしてから当面の維持管理支援は必要ですが、ユーザーフレンドリーで、日本でもお勧めしたい技術です。日本でも、以前は緩速ろ過が主流で、現在でも最大100万人規模の緩速ろ過を使った浄水場が名古屋にあるほか、大小様々な緩速ろ過が全国に残っています。天然に近いろ過方法なので、とても美味しいです。しかし、現在は急速ろ過、膜ろ過が主流です。緩速ろ過に比べ、設備費・維持費が高く、エネルギー消費量も大きいことを考えると残念なことです。あるコンサルタント会社の方の話では「緩速ろ過が良いことはわかっていても一度作ったら何十年も使えてしまう。利益を得なくてはならない企業としてはお勧めできない技術」なのだそうです。

 次に水源ですが、距離の離れたダムから水を引いて給水することを前提にした広域化を国は進めてきました。水道事業者がダムに参加すると、ダムの建設にかかった費用を受水費として支払い続けなくてはいけません。これが大きな負担となり、そんなに水が必要なくても、過剰投資のつけを返すためにダムの水を買い続け、地元の水の使用量を減らしているケースもあるそうです。

 日本の多くの地域には豊富な地下水があります。高度経済成長期に、人口増加と生活スタイルの変化によって生活用水の需要が増え、さらに農業用・工業用の過度なくみ上げによって、地盤沈下が起きました。しかし、工業用の地下水利用の規制も整い、生活用水として地下水を利用する世帯も減り、現在では多くの地域で地下水位は回復してきているようです。今の私たちは、地下水のことを知る機会がほとんどありません。しかし、地下水を適度に使い続けて、水質や水位の変化に敏感になることが保全につながると専門家は話します。大量のエネルギーと薬を使って、環境に負荷をかけて遠くから運ばれてくる水に依存するのではなく、地域にある水資源を住民が守りながら上手に使うことが今まさに求められていると思います。