その他の地域
その他の地域2015/11/05ツイート
おいしいコーヒー入門講座@清澄白河
おいしいコーヒー入門講座@清澄白河 〜フェアトレードコーヒーの魅力を探る〜
お天気にも恵まれた三連休の最終日、10月12日、初めてAPLA、New Internationalist Japan、アーユスの3団体で開催しました。会場は、「深川の出世不動尊」として親しまれている清澄白河の長専院さんの一室をお借りしました。
最初に、アーユス仏教国際協力ネットワークの枝木事務局長より、イベント実施のきっかけや、アーユスの事務所があるこの清澄白河について説明がありました。かつては都営地下鉄大江戸線もなく交通の便があまり良くない昔ながらの下町だったそうですが、今ではおしゃれなカフェやロースターがあちこちにできてそれを目当てに来る人も増え、様変わりしたとのことでした。
最初のパートはコーヒーの基礎知識で、NIジャパンの諸が担当しました。まずは今日のイベントの目的について。今日のイベントは、マスコミ、流行、友人知人の影響や情報より、自分にとっておいしい、あるいは納得いくコーヒーに出会うための参考情報として生かしてほしいという話から始まりました。そして、コーヒーの植物的特徴、品種、農業規模、貿易、日本でのブーム等ついて、写真や実際の生豆サンプルを見ながらの説明へと続きました。
次に、2つのグループに分かれ、ハンドドリップによる淹れ方の説明と試飲です。
今回コーヒー豆は、APLAの東ティモール産のフェアトレードのコーヒー豆を使い、3種類の焙煎(浅煎り、中煎り、深煎り)で飲み比べを行いました。APLAの野川さんはカリタの台形ドリッパーで、諸はコーノの円錐形ドリッパーでコーヒーを淹れ、それぞれのグループで淹れ方の説明やコーヒーの話をしながら、参加者は3種類の違いを味わいました
写真左:カリタの台形ドリッパー。写真右:コーノの円錐形ドリッパー。
通常、APLAの東ティモール産のコーヒー豆は中深煎りくらいだそうで、今回はこのイベントの飲み比べ用に特別に焙煎したものです。各グループの参加者は、焙煎の度合いが違うコーヒーを比べながら何度も口に運んで味を確かめていました。今回の試飲では、浅煎りが好みという人はおらず、中煎りと深煎りがおいしいという人の割合は1対3でした。
最後のパートでは、今回試飲したコーヒー豆を作っている東ティモールの生産地と生産者の様子、そしてフェアトレードと貿易について、野川さんから説明がありました。
独立してまだ13年の東ティモールの歴史や経済、国が抱える課題も含めながら、現地の農民の仕事から暮らし、農園の様子、コーヒー生産の流れまで、写真と図表を使って分かりやすい内容でした。人々を直接支援して持続可能で自立した生活を目指す民衆貿易というAPLAがこだわるフェアトレードの形についても説明がありました。
世界の多くのコーヒー生産地では、コーヒーノキは丘陵や山の斜面に植えられていることが多く、機械の入らない手作業で栽培が行われています。コーヒーの実は一つ一つ手摘みされており、その作業や運搬は重労働です。東ティモールの生産者の写真を見て、それが実際どういうことなのかがよく分かりました。
私たちが毎日何気なく飲む1杯のコーヒー。それは、東ティモール以外の国でも同じように農民とつながっています。改めて消費者と生産者のつながりや、生産者の生活を左右する私たち消費者の存在、コーヒー豆1粒にかけられている手間と労働などについて考える機会となりました。(諸英樹)
<参加者の感想~アンケートより>
・もともとコーヒー好きなので興味あるイベントでしたが、生産地の話まで知ることができ、より一層興味深くなった。
・ちょっとしたコツで、明日からおいしいコーヒーが飲めると思うと楽しみです。
・おいしいコーヒーを飲みながら、生産者のことを考えられる良い機会となりました。
・同じ豆で3種類の味を試飲でき面白かった。
・基礎的な話から始めてくれたので、ありがたかったです。
・コーヒーについてだけでなく、東ティモールについてまたさらに知識を深めることができて良かったです。