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平和人権/中東

平和人権/中東2016/02/16

シリア難民支援:障がいを負っていても・・・


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シリア難民支援:障がいを負っていても・・・

 今日は、アンマンからおよそ1時間ほどバスで北上したところにある町、イルビッドを訪問。ヨルダンの中でも第二の都市のこの町は、アンマン戸違って起伏の少ない平坦な町だ。
 ここで、JIM-NETは、シリア難民のソーシャルワーカーなどを数名とヨルダン人の理学療法士をスタッフに加え、シリア難民の人々の中でも、障がい者の方々が本人や家族の力でリハビリや生活環境を整えられるよう、リハビリテーションセンターの運営と訪問看護に力をいれている。

 シリアからヨルダンに逃れてきた人の多くは、まずはザアタリ難民キャンプにはいることが多いが、しばらくしてから都市部に移り住む人も少なくない。しかし、アパートの3階や4階に16人家族で住んでいるといった場合は珍しくなく、住環境に恵まれていることは決してない。子どもの教育のため、病院へのアクセスがいいためと、キャンプを出る理由は様々だ。

訪問した家庭はこのアパートの2階部分に住んでいた。

訪問した家庭はこのアパートの2階部分に住んでいた。

 家族のなかに障がいを負っている人がいる場合は、尚更エレベーターもないアパートの4階に住むことの不便さがわかる。今日は、3家族を訪問したが、そのうちの一家族には生まれつき右足が不自由な女性がいて、彼女に歩行器の使い方の訓練をしていた。彼女たちはアパートの4階に住み、彼女が外へ出かける時は這って階段を上り下りするそうだ。

訪問した家庭の一室。隅のベッドに、麻痺を患っている女性が横たわっていた。着いた時は、数人の女性がモップかけて大掃除してました。

訪問した家庭の一室。隅のベッドに、麻痺を患っている女性が横たわっていた。着いた時は、数人の女性がモップかけて大掃除してました。

 また訪問先のもう一家族はアパートの2階に住んでいるが、75歳の女性が脳梗塞からの麻痺によりベッドに横たわっていた。ヨルダンに来てから発作が起き、直後に病院に行くことができなかった影響もあってか、両脇から支えられないと歩くこともままならない。

 障がいを負った難民の人たちはどこに移り住んでも、障がいを負っていることには変わりは無い。今日、訪問した家庭の人たちも、今後どこに移り住むかはわからないが、どこに向かっても、ここで得た経験を役立たせることができれば、障がいがあることの不便さが少しでも緩和でき、彼らの力が発揮できる基盤の一部になるのだろう。

訪問看護終了後、別の団体と一緒に今後の活動案について話し合うミーティングに参加。ここには、負傷によって障がいを負った男性たちが集まっていました。

訪問看護終了後、別の団体と一緒に今後の活動案について話し合うミーティングに参加。ここには、負傷によって障がいを負った男性たちが集まっていました。

 これからどういう選択をするにせよ、障がいを負いつつも本人や家族の力で生活を改善できることができるように支えるのは、目に見えづらくも大きな力になっているのではないかと思った。(M)