対話型AI(人工知能)の実用化が急速に進んでいます。最も話題になっているのは、ChatGPT(チャットジーピーティー)。人の質問に対してAIが答えてくれるもので、かなり自然な受け答えがされるようになり、多様な業種の職場で活用されるようになっています。神奈川県横須賀市役所では市の業務への活用を試験的にですが始めています。また、行政機関内で活用できるプラットフォーム「行政GTP」がリリースされ、中央省庁や地方自治体が導入を検討しているとも報じられています。一方で、学生が論文をAIに書いて貰うといった問題も起きているとか?
この対話型AI、仏教に特化したものもリリースされています。その名も「HOTOKE-AI」。トップページには「お悩みにメカニカル仏が答えます」。質問を入力すると、少し時間がかかりますが、的確な答えを返してきます。これを開発したのは家入一真氏。主にインターネットを活用した様々な企業活動で知られていて、都知事選に出馬もされましたが、現在は別の形での社会変革を目指されているようです。
実際にChatGPTを試してみました。意外なことに、知識を問う質問をすると、大間違いの答えを自信たっぷりに返してくることがしばしばです。お気をつけください。 しかし、ものごとの整理や分類はとても得意なようです。「国際協力NGOの事業にChatGPTはどう活用できますか」との問いを入力したら、ものの2秒後にそこそこ的確な1000字程度の回答がありました。ちなみに「その内容を100字にまとめて」とリクエストしたら、1秒もかからずに下記の返答。
「ChatGPTは、国際協力NGOの質問に答えることや、啓発活動のサポート、情報収集や翻訳、アドバイスや提言をすることができます。NGOの活動をサポートするために活用できます。」
対話型AIは進歩が急速なあまりに、不安も少なくありません。しかし、国際協力NGOの活動や運営上でも活用する価値はありそうです。それによって対話型AIが不得意なことや、対話型AIではかなえない部分へのより多くの注力ができるようになることも期待できます。対話型AIになせないことはまだまだたくさんあるでしょう。そのひとつが共感です。ChatGPTが提示するのは「正しい答え」です(知識の間違いはありますが)。でも人間は必ずしも「正しさ」のみに生きるわけではありません。正しくないことにほっとしたり共感するのも人間です。そのあたりの匙加減をChatGPTが獲得するのはもうちょっと先のような。 また、「笑い」についてもChatGPTはまだ本当に下手です。共感と笑いの大切さと難しさをChatGPTは教えてくれているのかもしれません。(アーユス)