先日に放送されたNHKテレビ番組『チコちゃんに叱られる!』に、こんな出題がありました。「なんで写真に写った自分の顔が気に食わないの?」。
写真に撮られた自分の顔に違和感を感じる人は多いです。自分はどちらかというと写真うつりが悪い方だと考える人は多数派のようです。なぜでしょうか。
多くの人は、自分の顔を鏡の中の自分と認識しています。しかし鏡に映った姿は左右が逆です。加えて、人の顔は思っている以上に左右対称ではありません。ですので、そのままの顔と左右を反転させた顔では、印象がかなり違ってしまいます。
問題はここからです。鏡の顔と写真の顔が違うのいいとして、両者を比べると写真の方が悪く見えるという人が多いのは不思議ではありませんか。少なくとも半々でいいのではないかと。
実はそこには「単純接触効果」が関係しているというのです。人間には、同じものを何回も見ることでその対象に好意を抱くようになる心理傾向があり、これを単純接触効果と言います。同じものを何度も見ていると、脳がそれを認識するスピードがどんどん短くなります。そのスピード感を脳は「好き」と勘違いしてしまうとのこと。逆に、自分が何かを「悪い」「嫌い」と感じたとき、その最大の理由は単に「見慣れないから」ということもありそうです。
世間では、特定のグループに対してさまざまな悪感情やヘイト行為が表出することがあります。それらの行為をする理由を聞いてみると、デマや不確かな情報や思い込みからのことが少なくありません。自分が違和感を感じていることに対して、後付けで理由を付けているのですが、実はその対象のことを何も知らなかっただけということもありそうです。
慣れてくれればいいと思うのです。しかしそれをただ待っているのも迂遠です。まずは、違いを受け入れることが自分たちにとって有益であると合意ができればいいと思うのです。
さて、新年度を迎えます。アーユスは発足から30年を過ぎ、皆様からの信頼に応えるべく、新たな展開を考えています。篤いご着目をお願いいたします。(アーユス)