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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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エンゲイジドブッディズム

エンゲイジドブッディズム2019/03/22

【3月のメッセージ】沖縄県民投票から1ヶ月



2008年にアーユス国内研修で訪ねた沖縄。辺野古新基地建設予定地の上空には戦闘機が飛び交っていた。

 2月24日に行われ、7割を超える投票者が辺野古新基地建設への反対を表明した沖縄県民投票から一ヶ月が経ちました。わずか一ヶ月ですが、本土では過去の一エピソード扱いとなってしまっているように見えます。昨年の沖縄県知事選に続き、実施自体の困難も克服して行われた県民投票で示された民意を、政府は真摯に受け止めることを表明した以上、工事が中止されること切に望みます。同時にこの結果は、沖縄の人たちから本土の人たちへの深い問いであると認識しなければなりません。

 当事者の沖縄県民からは無力感に陥る様子は窺えません。政府が県民投票結果を軽んじることは想定内であって、その無体さを露にした手続きとして位置づけているようでもあります。一方、本土の人たちは無関心あるいはアキラメの中にいます。しかし本土に住むひとりひとりも政府の態度を傍観している紛れもない当事者です。沖縄の人びとの声は様々な媒体により発信されています。基地建設反対行動も多様に展開されています。本土の人びとは、それらの声に耳を傾け真摯に受け止めてきたのか、勇気をもって表された民意を単に一部の人たちが反対しているだけだと、一時期の盛り上がりで終わらせてきていないのか、省みなければなりません。

 私たちアーユスが協力しているNGOや関係者からも、辺野古の新基地計画の問題点が伝え続けられています。環境の視点からの声、住民としての声、本土から沖縄に行って感じた声など多様な声が届けられてきました。また、沖縄を考えさせてくれる活動も各地で展開しています。先の県民投票の時は、本土の各地でもシールを使って投票する活動が行われました。駅前などで、通りすがる人たちに意見投票をしてもらい、それを通じて沖縄の問題を考えました。

 ほかにも、沖縄に関する書籍や映画も多く出ています。いま手元にあるのは『それってどうなの? 沖縄の基地の話』『これってホント!? 誤解だらけの沖縄基地』の2冊。これらの本を読んでも、沖縄を巡る報道の読み方が変わります。自主上映になりがちなのが残念ですが、『標的の島』『米軍が最も恐れた男』『岡本太郎の沖縄』なども目を開かせます。SNSで様々な声を拾うのも一案です。みなさんの地域から出ている国会議員の意見を聞いて考えてみるのもいいでしょう。

 今沖縄で起こっている理不尽を看過することは、次の理不尽を招きます。そして次に理不尽なことが起きるのは、沖縄とは限りません。民意が無視されることを容認する先に到来するのはいかなる社会であるかを、辺野古基地建設問題は重く問いかけています。(アーユス)