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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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スタッフ雑記帳

スタッフ雑記帳2015/06/29

2015年度総会および総会セミナーが行われました


 2015年6月15日に東京・江東区の長専院でアーユスの2015年度総会と総会セミナーが行われました。総会に26名、総会セミナーには41名が参加。総会では、2014年度の事業・決算報告、2015年度の事業計画案・予算案、役員新任案がそれぞれ承認されました。各事業の担当者がパワーポイントで要点を整理して報告し、アーユスの活動状況が大枠で理解いただけるような内容になったと思います。

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 続いて行われた総会セミナーでは、2015年度からNGO組織強化支援事業の対象団体となった「国際環境NGO FoE Japan」の満田夏花さん、矢野恵理子さん、吉田明子さんを講師に、FoE Japanが福島に関連して行っている様々な活動についてお話を伺いました。

 はじめに満田さんからは、福島原発事故の放射能汚染が深刻であるにも関わらず、特定避難勧奨地点(避難指示は出されなかったものの、年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えると推定される地点について、政府は世帯単位で指定し避難の支援・促進を行っている)に指定されないため、避難費用の賠償が行われていない福島市渡利地区の事例や、逆に福島県南相馬市では、特定避難勧奨地点が2014年12月28日に解除されたことの撤回を求める活動など、原発事故の被害者の権利が著しく損なわれている現状について報告いただきました。渡利のケースでは、放射能汚染について正確な情報が得られないもどかしさや、国や東京電力の不誠実な対応から怒りを抑えられない住民の様子が映像で流れ、改めて原発事故の被害者の権利はないがしろにされて、大規模復興事業にばかり予算をつぎ込まれている福島の現状を見る思いがしました。

 続いて矢野さんからは、上記のようにさまざまな理由で渡利に生活の基盤を置かざるをえない家族の子どもを空間線量が低い土湯温泉に一時避難させる活動から始まった「福島ぽかぽかプロジェクト」の活動についてお話いただき、4年以上経った現在でも放射能汚染に怯え、悩みを打ち明けられずに孤立感を深める人たちの様子や、そのような人たちを対象とした保養活動の必要性が強調されました。1986年のチェルノブイリ原発事故の被害に見舞われたベラルーシでは、30年余り経った今でも定期的に保養を受けられる仕組みが整っているそうです。これに対して、日本では子どもたちを保養させるどころか、放射能被害をできるだけ早く忘れさせて震災前の日常が戻りつつあることを強調するような風潮が蔓延しているように感じます。今こそ福島の人たちの声に耳を傾け、福島で何が起きているのか、しっかりと見つめることが大切になっています。

 最後に吉田さんからは、2016年から始まる電力小売全面自由化によって一般消費者が電力会社を自由に選べるようになり、自然エネルギーを中心とした電力会社を選ぶことで、自然エネルギーが中心となる持続可能なエネルギー社会にむけて、電力(パワー)のあり方を変えていこうと呼びかけているパワーシフトキャンペーンについてご紹介いただきました。このキャンペーンでは、自然エネルギーによる電力の供給が促進されるような制度設計を求め、電源構成や環境負荷、費用内訳について消費者への説明や表示義務を定めることや、自然エネルギー導入を促進する仕組み作りの推進を働きかけています。

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 これらの活動の根底にあるのは、福島の原発事故によって被害を受けた人たちに寄り添い、その問題解決を訴える姿勢とともに、こうした問題が起こった原因を追及し、同じような問題を二度と起こしてはならないという強い決意と覚悟だと感じました。そして、原発に頼らない自然エネルギーを軸とした持続可能な社会に向けて、市民の立場から行動を起こしていくことの大切さを私たちに訴えかけていたと感じます。こうした思いはアーユスも共有しています。

 今後も福島の活動を中心に、様々なテーマでFoE Japanと協働する場面が増えてきそうです。