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特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク

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スタッフ雑記帳

スタッフ雑記帳2013/01/23

1/12-13 開発教育指導者セミナー(応用編)に参加しました


 2013年1月12日-13日にJICA横浜で行われた標記セミナーに参加しました。70名余りの参加者の大半が教員もしくは教員をめざしている学生の人たちで、NGOスタッフはごく僅か。それでも普段お話しすることのない人たちと議論できて、自分なりに大いに学べた2日間となりました。

 初日まずは「開発教育が目指すもの」というテーマで、早稲田大学教授でかながわ開発教育センター代表の山西優二さんの講義で、開発教育のねらいが時代とともにどのように変遷したのか、その定義がどのように変わったのかというお話を聴きました。単なる途上国理解から始まった開発教育が、開発の構造的問題や南北格差に光を当て、昨今ではグローバルな視点や持続可能な開発のあり方、参加型学習の実践方法に重きを置くようになったとのこと。国際理解教育との違いについても要点が良くつかめました。

 次のワークショップでは「懐かしい未来」という、ヒマラヤ麓のラダックで人々の生活が開発によってどう変化したのかというビデオを見ながら、開発のあり方をグループで話合いました。ビデオを見ると開発が地域社会を崩壊させ、物質的な豊かさを享受できるようになった反面、地域社会の絆や心の豊かさが失われてしまったという視点が強すぎる印象を受け、開発のプラス面にもフォーカスを当てながら議論することの大切さを改めて感じました。ビデオは90年代初頭のラダックを写したものでしたが、現在のラダックではより環境に配慮した開発がなされているそうです。

 最後に初日のメインイベントとして、「変わる開発途上国と国際理解教育」と題したパネルトークが行われました。国際協力NGOセンター(JANIC)理事長の大橋正明さん、アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表の佐久間智子さんの弾丸トークに興奮を覚えましたが、会場の教員の方々が息をのんで聞いていたのが印象的でした。ともに、開発がもたらす歪みを具体的な事例を挙げながら紹介され、多様な面から「開発」というものをとらえ直す必要があることを痛感しました。お2人からのこれでもかという問題提起の嵐を受けて、JICA/桜美林大学の向井さんからは開発教育の観点から世界の様々な問題をどう捉えられるのか、分かりやすく解説していただきました。

 2日目はグループに分かれての学習プログラム・教材作りの作業を進めました。短い時間でもさすがは先生方。目的が明確である上に要領のよい学習プログラム案がつくられ、懇切丁寧な発表がどのグループからも聴かれました。自分が入ったグループでは世界と地域の問題をつなげる学習がどのようにできるのかを考え、フィールドスタディやフォトランゲージの手法を使いながら、身近なところから自分と世界との結びつきを実感し、私たちが抱える様々な問題が世界中でも共通して起こっていることを考えるワークを発表しました。

 2日間を通して開発教育の奥深さを改めて感じたとともに、こうした視点でNGOの活動を考えていく必要があると思いました。また、学び直すということはとても新鮮な体験であることを思い知りました。